人に相談すると「心が不安定になる」驚きの理由 気持ちをポジティブにする自己肯定感の作り方
学習やトレーニングにも役立つ「心の声」
仕事中なのに、「週末にあれをやろう」、「これをやろう」などと心の中で想像していたら、いつのまにか表情もニンマリ。はたまた、仕事で起きた失敗について、「ああすれば良かったはずだ」とか、「いやそれでは結局ダメだった」などと自問自答しているうちに、ふと思えばしかめっつらに。
声には出さずに心の中で考えたり、自分と対話をしたりする。ポジティブもネガティブも、私たちは生きている限り、そうした「心の声」とつねに付き合いながら過ごしています。
そして、私たちの「心の声」は、とても大切な役割を果たしています。たとえば、自分を自分として意識することができるのも、自分の心を意識することができるから。「心の声」の働きがなければ、自己意識を持つことができません。
また、一度聞いたことを心の中で繰り返すことで、記憶したり、心に言い聞かせてみたり、学習やトレーニングにも「心の声」が役立ちます。
また、感情をうまくコントロールしたり、目標に向かって計画したり行動したりするのにも「心の声」が一役買っているのです。
この「心の声」の仕組みは、最近の脳科学によってだいぶ明らかにされてきました。
私たちの脳のメイン機能として、おなじみの「ワーキングメモリー」。長期や短期の記憶を現在の意識にホールドして、整理したり、組み合わせたり、なんらかの「コマンド」を意識の中で実行する脳の働きを指します。
そのワーキングメモリーの要素の一つが、私たちの言語に関する「音韻ループ」(phonological loop)という機能です。
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