50代まで万年課長だった男が華麗に転身できた訳 ふとした契機に自分の可能性を信じて踏み出した

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「こんなはずじゃなかった!」と悩む50代にも活路はある(写真:EKAKI/PIXTA)

50歳をターゲットにした、“希望退職“という名のリストラの嵐が吹き荒れている。

2021年にはJT(日本たばこ産業)(46歳以上の社員およびパートタイマーなど約3000人)、ホンダ(55歳以上約2000人)、フジテレビ(勤続10年以上で50歳以上の社員約3000人)、博報堂DYホールディングス(満50歳以上59歳以下かつ勤続5年以上の社員約100人)などの名だたる企業のリストラ策が公表され、今年はすでに、富士通の「50歳以上の幹部社員約3000人」といった大型リストラを筆頭に、平和、オリオンビールなど、上場企業だけでなく中小企業にまで拡大している。

【2022年4月4日14時13分追記】初出時、上記のリストラ策公表企業に誤りがありました。訂正のうえ、お詫びいたします。

コロナ禍前から増えていた「今のうちに切っちゃえ!」といった黒字リストラに、コロナ禍以降は「もう無理!」という赤字リストラが加わり、さらには「コロナ後の事業再編」だの「コロナ後の企業戦略の一環」といった、コロナを言い訳にしたリストラや、年齢を50歳から45歳に引き下げる企業も増加している。

50歳の会社員にとって転職は最大の悩みごと

退職金が割増されるうちに、会社に見切りをつけるべきか?

はたまた70歳雇用義務化で揺れ動く人事部の動向を見極め、留まるべきか?

50歳の会社員にとって、転職は最大の悩みごとと言っても過言ではないであろう。

とはいえ、転職さえすれば、万事解決!というほど単純じゃない。拙著『THE HOPE 50歳はどこへ消えた? 半径3メートルの幸福論』でも詳しく解説しているが、仕事だけじゃなく、家庭や健康など「人生の迷い子」になりがちな50歳の心は、実に複雑なのだ。特に、社会的地位の高い会社に勤めていたり、そこそこ出世したりしたエリートほど、「こんなはずじゃなかった」状況に追い込まれがちだ。

実際、私がインタビューした900人超のビジネスパーソンの中にも、思いもよらぬ残念な末路を迎えた人たちがいた。

他人が羨むような“いい転職”をしたのに、半年後に出社拒否になってしまったり、「自分のスキルを活かして頑張ります!」とやる気満々だった人が鬱になってしまったり。「いい仕事をして期待に応えたい」という気持ちが強い人ほど、暴走し、ふびんなほど周囲に嫌われ、メンタルを低下させていた。

一方で、会社にどどまる中で、セカンドキャリアの礎を築いた人たちがいた。

彼らは皆、不甲斐ない自分に嫌気がさし腐っていた経験を、成長のチャンスにつなげていた。

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