50代まで万年課長だった男が華麗に転身できた訳 ふとした契機に自分の可能性を信じて踏み出した

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「ふと気がつくと、僕はラインの課長で最年長の古参になっていました」と話す、“万年課長“もその1人だ。

10年前、某大手保険会社に勤めていた50代前半の浜崎恵一さん(仮名)は、厄介者扱いされ居場所を失い、自ら働かないおじさん化した。ところが、あることをきっかけに、異例の大出世を果たした。浜崎さんは、会社の中の「課長の私」ではなく、自分を取り囲む半径3メートル世界の中で「丸裸の私」として、主体的に動くことで、キャリア人としても人間としても進化したのだ。

そこで今回は、「万年課長」だった浜崎さんの華麗なる転身を取り上げよう。

まずは、私が浜崎さんをインタビューした10年前の独白からお聞きください。

同期トップだったが最古参の課長に

「自分で言うのも何ですけど、課長に昇進するまでは同期の中でもトップランナーでした。出世志向が特段に強かったわけではありません。でも、やっぱりね、肩書きって大きいんですよ。同期の中には、肩叩きされたり、下請けに転籍させられる奴もいたので、『俺はあいつらとは別』 なんて思ったりしてね。

ところが、ふと気がつくと、いつの間にか僕はラインの課長で最年長の古参になっていました。全社の課長が集まる課長会議が、月1回あるんですが、その会議の居心地の悪さといったら、半端じゃない。私が意見すると、40代の課長たちが露骨に『時代が違う』みたいなことを言うわけです。全否定です。『そんなこと言ってるから、部長になれなかったんだ』って責められている気がしちゃって。

妙に気を遣われるのも苦痛だし、あの頃は、お酒の量は増えるわ、荒れてました。『どうせ先はない』と思うと、やる気も失せた。正真正銘の働かないおじさんに成り下がってしまったんです」

そんなある日のこと、部下の女性社員が営業先を開拓できず、落ち込んでいたので、かつて世話になった知り合いを紹介したという。と言っても、大意があったわけじゃない。たまたま。そう、浜崎さんはたまたま紹介したのだ。

「暇だったんですよ(笑)。そしたら、数日後『本当にありがとうございました。あんな方と知り合いなんて、すごいです』って言われちゃって、素直にうれしかった。自分にも、まだできることがあるって思えた。それでこんなものを作ることから始めたんです」

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