青学・原監督に学ぶ「10年で超一流になる法」 「箱根駅伝圧勝」は、一日にしてならず

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箱根駅伝で青学はぶっちぎりの優勝。原晋監督の「長期戦略」をビジネスに活かさないともったいない(日刊スポーツ/アフロ)
 「みなさん、ワクワクしましたか??」。1月8日、青山学院大学の青山キャンパス内で開催された、箱根駅伝での優勝報告会。約2000人の青学生や関係者を前に、陸上競技部の原晋(すすむ)監督は開口一番、明るくこう切り出したのだった。
 青学の「驚愕の初優勝」に終わった箱根駅伝から、あっという間に半月が経とうとしている。中国電力のサラリーマン出身の原監督が就任した2004年当時、青学は出場すらできなかった。それが異色の経歴を持つ監督の下、創部96年目(出場は20回目)でなぜ圧勝できたのか。今回は、「未年生まれの年男・原監督」や青学チームから長期戦略を学びたい。

「ワクワク大作戦」VS「1秒を削り出せ」の差とは?

原監督のキャリアは実に興味深い。高校時代(広島・世羅高校)から駅伝選手として大活躍したが、自身は大学では箱根と縁はなし。卒業後、中国電力で陸上部に入部したものの、ケガに悩まされ5年で引退。その後は、営業職としてサラリーマン生活を送っていたという。営業マン時代も、省エネ空調設備「エコアイス」などの売り上げで大きな実績を上げたというが、長くなるので割愛しよう。

サラリーマン生活10年がたったころ、青学から後輩経由で監督の誘いがかかった。もっとも、当時の青学は、30年近く箱根の出場もなく専用グラウンドすらない弱小大学。それでも、「陸上で自分は何かを成し遂げてきたのか…」と自問自答した原氏は、広島の家を離れ、退路を断って嘱託職員での監督業を11年前にスタートしたのだ。

しかし、すぐに結果が出なかったのは各種報道の通り。原監督が長年チーム作りに苦労してきたことは想像に難くないが、なんといっても筆者が度胆を抜かれたのは、今年のスローガンである。

青学のスローガンは、なんと「ワクワク大作戦」。前年覇者の東洋大のスローガンは「1秒を削り出せ」、駒沢大学は「原点と結束」である。東洋大や駒沢大のいかにも真剣なスローガンに対して、年に1度の真剣勝負の場で、「ワクワク、ドキドキさせるレースで、自分も楽しみながら、見る人を楽しませたい」と名付けた作戦は、前代未聞のスローガンである。しかし、そこにはワケがあったのだ。

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