うつ社員をあぶり出す?国の新制度への懸念

「ストレスチェック」が年内に義務化へ

そもそも本制度を実施した場合、今まで健康と思っていて自覚していなかった労働者や、自分はどうなのか多少不安のあった労働者でも高ストレス状態であることが判明した場合、受け入れる医療機関は足りているのか。

医療費削減の狙いと相反する?

厚生労働省発表の「平成21年地域保健医療基礎統計」では、「精神科」「心療内科」が急増しており、特に「メンタルクリニック」等と名乗る一般診療所の数は、1996~2008年までの12年間で、「精神科」は約2倍、「心療内科」は約6倍にも増えている。本制度開始に伴い、高ストレス状態と判断された労働者を大量に受け入れた場合、実施の目的の一つと推測する医療費削減に相反する事象になりかねない。

国と事業所は、「ストレスチェックの目的は、一次予防のためであり、うつ病を含む精神疾患のためのあぶり出しではないこと」「性格検査や適性検査を目的とし、リストラの対象にすることが目的ではないこと」をきちんと明示していかなければならない。このストレスチェック義務化の具体的な運用方法は、今後の厚生労働省令、指針などで明示されるはずなので、それを待つことにしたい。
 

キャリア・教育の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 井手隊長のラーメン見聞録
  • コロナ後を生き抜く
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 越湖信一のスーパーカー列伝
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
コロナ時代の株入門<br>『会社四季報』公式!銘柄ガイド

コロナ禍で株価が激動、将来不安や在宅勤務で「株デビュー」する人が増えています。チャートの読み方、お得な優待銘柄、ネット証券の選び方など株式投資の入門情報を満載。四季報最新号のランキングによる銘柄選びも。

東洋経済education×ICT