そもそも本制度を実施した場合、今まで健康と思っていて自覚していなかった労働者や、自分はどうなのか多少不安のあった労働者でも高ストレス状態であることが判明した場合、受け入れる医療機関は足りているのか。
医療費削減の狙いと相反する?
厚生労働省発表の「平成21年地域保健医療基礎統計」では、「精神科」「心療内科」が急増しており、特に「メンタルクリニック」等と名乗る一般診療所の数は、1996~2008年までの12年間で、「精神科」は約2倍、「心療内科」は約6倍にも増えている。本制度開始に伴い、高ストレス状態と判断された労働者を大量に受け入れた場合、実施の目的の一つと推測する医療費削減に相反する事象になりかねない。
国と事業所は、「ストレスチェックの目的は、一次予防のためであり、うつ病を含む精神疾患のためのあぶり出しではないこと」「性格検査や適性検査を目的とし、リストラの対象にすることが目的ではないこと」をきちんと明示していかなければならない。このストレスチェック義務化の具体的な運用方法は、今後の厚生労働省令、指針などで明示されるはずなので、それを待つことにしたい。
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