シリコンバレー化するビジネススクール

ハーバード大MBAの3割はプログラマー

そこでビジネススクールも、実験指向というデジタル時代の精神を取り入れて新事業に乗り出した。スタンフォード大学経営大学院では、選択課程150のうち、28%は昨年度まで存在しなかったコースだという。「外の世界にある優れた慣行に対応する。たとえばA/Bテストや大量データへの取り組みに」と、ガース・サロナー学長は語った。「私たちは適応中なのだ」。

今やハーバード大経営大学院の1/3がプログラマー

学生たちも適応中だ。かつてのビジネススクールでは、プログラミングの仕事の経験があるような生徒は珍しい存在だった。それがハーバード大学経営大学院のデイビッド・B・ヨフィー教授によると、今日では同校の生徒900人のうち3分の1以上がプログラマーとしての経験を持つものと推定される。いわゆるSTEM分野の学位を学部で取ってきた者はもっと多いだろうという。

STEMは科学(S)、技術(T)、工学(E)、数学(M)の頭文字を並べた略称だ。

「ものすごく人材の層に変化がある」とヨフィーは言う。ただし昔ならビジネススクールに来たと思える有能な若者たちの多くが、最近はほかの道に進もうとしている。大学院協議会(CGS)の最新の統計によると、経営大学院への入学希望者は2013年に1%減少した。対照的にコンピューター科学や数学専攻の大学院への出願は11%増加している。

「ビジネススクールは過去の遺物産業としてデジタルな世界に適応しようと努めているところだ」とコーネル・テックのダグラス・M・ステイマン副学長は言う。

ニューヨークで発足させたMBAのコース、それ自体が伝統にとらわれないスタートアップ事業なのだと彼は説明した。「デジタル経済における経営のため、新しい種類の教育が求められている。私たちはそういう想定の下に始めた。経営のスピードも統合も、従来の産業経済とは異なるレベルで起こる」。

コーネル・テックはテクニオン・イスラエル工科大学との共同事業だ。2013年の開設当時は、コンピュータ科学専攻の学生だけ少数が受講した。長期目標では新しい「応用科学」の大学院として、2043年度には院生2000人という規模を構想している。MBAのコースは初年度の今、ビジネス系39人がカリキュラムの3分の1をコンピューター系34人と一緒に受講している。

共同受講する分野では、ニューヨークの金融機関、ヘッジファンド、大手テック企業、スタートアップ企業などを研究対象とする。少人数のチームに分かれて、各社向けのソフトウエアをデザインしてプログラムを書く。企画することより実践することに力を入れている。

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