なぜ米国はソニーよりグーグルを支援したか 日本企業が向き合うべきは、現地の「有権者」

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取るべき戦略を知るためのマトリックス

ケネディ:そうかもしれません。3つめは「Assessment」(評価・判断)です。このAssessmentが縦軸と横軸で4象限に分かれます。

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  ”Shapeholders”, the "”7A” approach and”Win Win Shapeholders Desicion Matrix ”(c)2013 Mark Kennedy

横軸はシェイプホルダー(必ずしも意思決定に直接は関わらないが、意思決定を形作る人。たとえばメディアなど)の関心に正当性/根拠(Legitimate Concern/Illegitimate Concern)があるかどうか。縦軸は自分のビジネスに大きな機会があるかどうか(Upside Possible/Downside Palatable)です。

取るべき戦略は、右上から時計回りに、Assemble (勝てるチームを作れ)、Acquiesce (ルールに従え)、Avert (不合理な規制を避けろ)、Advance(互いの利益になるなら進めろ)となります。

たとえばトヨタのプリウスは環境にいい。そして、環境をよくすることへのシェイプホルダーの関心には正当性があります。たとえばカリフォルニア州は排ガス規制がアメリカ一厳しい州です。そこでプリウスを発売すれば、そのシェイプホルダーであるカリフォルニア州の関心に対応できるし、さらにビジネスという意味でライバルに勝てる。

一方で、もし排ガス規制を気にしない州があったとしたら、製品が環境にいいかどうかはどうかが論点ではなくなってきます。ですから4象限においてどういう戦略をとっていくかが大事です。

そもそも自社製品や主張がシェイプホルダーの関心に対応できず、ビジネスの機会もないのであれば、右下の戦略(「従え」)をとるべきです。たとえばスイス人は、それが正しいかはともかくとして、スイスのミルクが最も高品質だと思っています。その関心に、正当性や根拠はないかもしれない。

ですが、たとえオーストラリア産の牛乳がいくら品質が高くても、それを使ったアイスクリームは、スイス人には売れないでしょう。すなわちビジネスの機会もない。そういうときはスイスのルールに従って、素直にスイスの牛乳を使ったアイスクリームを売りなさいということです。

そしてシェイプホルダーの主張に正当性や根拠はないが、もしビジネスの機会が見込めるのなら、ほかのプレイヤーとと連携していきなさいということです。

桑島:これらの7つのキーワードを総称したものが「7Aアプローチ」ですね。政策以外のアプローチでも参考になりそうです。

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