なぜ米国はソニーよりグーグルを支援したか 日本企業が向き合うべきは、現地の「有権者」

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ケネディ:話を聞く相手には、パブリック・アフェアーズ・ファームもあります。これは日本にはあまりない業態ですが、簡単にいうと、政府との関わり方を企業にコンサルティングする会社です。実はこういう会社が世界中にあります。

代表的な名前を挙げると、フライシュマン・ヒラードという会社が大手で、かつ老舗です。ほかにオグリビー、エデルマン、アプコなどのPR会社も、政治に関する仕事をグローバルに行っています。それらの大手企業にも、各国でどういうことをしているかを聞きます。

「自分の利益のためにやっている」と思われたら負け

桑島:日本の民主党は2009年に政権交代に成功しましたが、フライシュマン・ヒラードが2003年から2005年に民主党の選挙キャンペーンを行ったこともよく知られています。ところで、企業が一般世論を動かしたかったら、どのようなことに注意すればいいのですか?

ケネディ:私たちは企業が政府だけでなく、一般世論を含めた社会と関わっていくとき、に重要な、「7Aアプローチ」というものを掲げています。キーワードは全部で7つあり、すべて頭文字がAです。

最初に大きく3つあって、「Authentic(正直さ)」。2つ目は「Anticipate(予測する)」。3つ目は「Assessment(評価する)」。

ひとつ目のAuthenticとは、愚直とか、正直ということです。何かメッセージを発するときに「お前、それは自分のために言っているんだろう」と思われたらダメだということです。そして言いっぱなしではなく、言った以上は実行しなければならない。

桑島:たとえば製薬会社なら、最終的には自社の利益のためにやっているとしても、「病気を撲滅するため」とか、自分たちの利益だけでなく、社会のために役立っているんだという大義を主張しなければならないということですね。

ケネディ:ふたつめは「Anticipate」。これは自分の発するメッセージが、社会を構成する人たちからどういう受け取られ方をするか、反応を事前に考えなさいということです。

桑島:なるほど。日本では先ごろ、都議会で「セクハラやじ」が大問題になりました。それで言えば、日本のおじさん議員たちは、自分の飛ばした「やじ」が、どう受け止められるかを考えていないわけですね。

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