「非アルコール性」脂肪性肝炎とは? 年末年始「3キロ増」「だるい」は危険なサイン

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肝臓は再生能力が高く、臓器の中でも最も巨大なため、脂肪肝になっていても症状が出ないことは多い。健診などの血液検査で、肝臓から血中に漏れ出す酵素を調べる「AST/ALT」や「γ-GTP」の値が異常に高くなっていると、脂肪肝や肝炎の疑いが高くなる。

しかし、多忙なビジネスマンが、自覚症状もなく、体重が少々増えたぐらいでは、当然のことながら医療機関へ受診することはない。そこで、目安となるのは、微妙に増え始めた体重だ。

体重3キログラム増で「脂肪肝」

「体重の3キログラム増いうのは、たとえば、身長170センチメートルの人のBMI(体格指数=体重㎏÷身長m2乗)を『22』から『23』に押し上げる重さで、身体に影響を及ぼします。脂肪肝は、皮下脂肪、内臓脂肪に次ぐ第3の脂肪といわれています。体重が増えると、同時進行的に第1~第3の脂肪が増え始めるため、年末年始に3㎏増えたなら、脂肪肝の可能性が高くなるのです」

こう話す西﨑副院長によれば、従来の腹部超音波検査では、肝臓に20~30%の脂肪がたまらないと発見できず、初期の脂肪肝を見つけることが難しかったという。

しかし、現在、より初期段階の脂肪肝を発見できる検査方法が登場した。2013年10月から保険収載された「ファイブロスキャン」という計測装置では、10%程度の脂肪の沈着や肝臓の硬さも測定できる。体重3㎏アップは、この微量な肝臓の変化に確実に結びつくそうだ。

「年末年始で増えてしまった体重は、食生活の見直しで元の体重に戻せば、脂肪肝も良くなります。BMIが『1』下がると、肝機能が改善するとの研究報告もあります。脂肪肝は無症状のことが多いのですが、増えた体重をそのままにして置かないことが、体調管理をする上で重要といえます」(西﨑副院長)。

体重を増やさないことが鉄則とはいえ、年末年始は仕事のつき合いでの飲食の機会も多い。知らぬ間に体重は増え、気がつけば脂肪肝。こんなことも起こりやすい。では、肝臓を守るための秘策はあるのだろうか。

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