風邪薬の副作用で、さらに体調悪化も
風邪にかかりやすいシーズンがやって来た。「なんだか身体がだるくてノドも痛い。でも、風邪をこじらせても、仕事を休むことはままならない」といった人は多いだろう。
しかし、市販の風邪薬を飲んで早く治そうとすれば、さらに身体がだるくなり、発熱なども生じる。こんな逆効果が、早期の風邪の対象法で起こることがあるという。
「医者が家族だけにはすすめないこと」(セブン&アイ出版)の著者、医学博士で「セルバンク」(東京都港区)代表取締役の北條元治氏が警鐘を鳴らす。
「市販薬にしても、病院で処方された薬にしても、風邪を根本的に治すことはできません。風邪のおよそ8割は、アデノウイルスやライノウイルスなど、ウイルスが体内で増殖することが原因ですが、インフルエンザの治療薬のように、風邪のウイルスを退治する薬はまだないのです。そのため、発熱、咳、鼻水などの症状を和らげる対症療法が、風邪治療の基本となります。特に市販薬は、複数の症状に対応した薬が配合されているため、軽度な症状のときに飲むと、副作用が強く生じ、逆効果につながることがあるのです」
風邪薬には、熱に対する解熱剤、鼻水には抗ヒスタミン薬、咳には咳止めや去痰(きょたん)剤など、それぞれの症状を封じ込める薬がある。市販薬には、幾つもの症状を抑える成分が配合されていることが多い。
本格的な風邪にかかったときに服用すると、一気に症状を封じ込めることも可能だ。しかし、「だるくてちょっとノドが痛い」といった軽症のときに飲むと、薬の副作用が出やすくなり、「ますますだるい」などの不調が起こりやすいのだ。
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