多くの子どもたちは、間違えることをとにかくおそれています。間違えると怒られるからか、自信を喪失することをおそれているのか、それとも小さい頃から間違えることは悪いことだと教えられているからかはわかりません。ですが、多くの大人もそうですから、子どもがそう思うのも無理もありません。
しかし、一見、マイナスと思われることが実はプラスのことであるということを知るのは大事なことです。これを私は「絶対積極」と言っています。私が教育するときに最も重視している考え方です。この「絶対」という言葉が重要なのです。
私たちは日常において、いいことがあるとラッキーだったと思います。一方、嫌なことがあればツイていないと思います。ラッキーなときは積極的な心になれますが、アンラッキーなことがあると心が沈み、消極的、否定的になります。このような積極的な状態は消極的と比較して積極なので、これを相対的積極状態と言います(相対とは比較的にという意味です)。
しかし、私が言う絶対積極状態とは、いいことがあってもラッキーであり、悪いことがあってもラッキーだという最強マインドの状態なのです。「そんな状態になれるわけがないだろう」と思われるかもしれません。しかし、なれるのです。実際、私は授業を通じて、子どもたちをこの絶対積極状態にもっていきました。では、どのようにしてもっていくか。ひとつ事例を紹介しましょう。
たとえば、中間テストや期末テストが返されたときに、私は必ず次のような対応をします。まずはよく頑張ったと伝え、次に間違い部分の分析に入ります。点数がよかろうが悪かろうが、それについてあれこれ話をしても意味がありません。もう終わってしまったのですから。点数が満点でなければ、どこかしら間違えているわけですから、その部分について積極的に対策を立てます。そして、進歩する喜びを教えていきます。
単なる読み間違えや計算間違いなのか、理解できずに解けないのか、そもそも知識がなかったのかなど、タイプ別に分析し、それらについて対策を立てます。これらの間違いが修正されれば、次回は得点できるので、「成長のために気づかせてくれたありがたい間違い」ということで、間違えた問題を「宝」として大切に扱います。
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