確かに……勉強と仕事をフルパワーでこなす日々は充実度満点だが、人生全体の戦略として考えたときに、何かが欠けているような気がした。
家族だ。家族が欲しい。子供がいる人生を送りたい。
初めて、心の底から思った。
見合いに参戦! 突きつけられる哀しき現実
サヨちゃんは早速、大学院の授業の受講ペースを落とし、見合いを始めた。しかし、早速、壁にぶつかって、悲壮な顔をしてやって来る。
「この歳で見合いしても、『何かない人』しか紹介されない……。かんべちゃん、早く動いたほうがいいよ」
「『何かない』って、何がないの?」
「毛とか歯!! 毛がないのはわかるわよ……。歯がないってどうなのよ?!」
聞けば、10歳くらい年上のイケてないオッサンばかり紹介され、待ち合わせ場所の喫茶店で、まったく弾まない話を1時間ほどし、自分のコーヒー代400円を払って帰って来たときに、むなしさでいっぱいになったそうだ。
そりゃそうだ。サヨちゃんはとってもきれいで知的で、女の私から見てもほれぼれするくらいなのに、婚活マーケットに出た途端に、年齢で選択肢が限られてくるのである。しかも「MBAなんてやってるの? 俺、勉強嫌いだから信じられない」なんて言われたりしたそうだ。
婚活マーケットに片足しか突っ込んでいないのに、すでに萎えた。これは私もそうとう厳しいことになるかもしれぬ……。
なりふりかまわず、女を捨てて生きてきた「黒歴史」に幕
思えば私は、バリキャリウーマンを目指し始めた頃から、メンズライクなスーツを好んで着ていた。髪はショート、メイクは控えめでパンツスタイルばかりなのだから、恋愛に興味がなさそうと思われても仕方ない。たまに男性からお誘いがあるかと思えば「自分探しのために会社辞めようと思ってさ〜」という、アサッテな方向への相談だったりする。
若さが価値のマーケットにおいて、女性らしさが評価される競合との戦いにおいて、私には何か足りない。
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