【産業天気図・商社】資源高の追い風吹き絶好調、5大商社の業績は過去2番目の高水準

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10年10月~11年3月 11年4月~9月

総合商社は、国内産業界でダントツの活況をおう歌する見通しだ。2011年9月までの1年間通じて、景況感は「快晴」が見込まれる。資源高の追い風を受け、主要各社の業績は絶好調だ。

11年3月期の5大総合商社の連結純利益は、「会社四季報」の予想ベースで合計1.31兆円。リーマン・ショック後の世界景気悪化の影響を受けた前年度実績(8013億円)から急回復するだけでなく、07年度の1.47兆円に次ぐ史上2番目の高水準となる見通し。原料炭(鉄鋼用石炭)や鉄鉱石、銅など金属資源の価格上昇が強烈な追い風になっており、各社とも資源で稼ぎまくる構図は07年度とまったく同様だ。

総合商社は世界各地で金属資源や原油・天然ガスの開発生産プロジェクトに出資しており、資源価格が高騰すると、主に配当収入や持分利益が膨らむ。10年度上期の5社合計純益は前年同期比9割増の7315億円と急回復した。このうち6割超は資源関連によるもの。中でも凄まじいのが三菱商事と三井物産だ。

三菱商事は上期に2678億円の連結純利益を計上。同社は豪州で資源メジャー、BHPビリトンとの合弁で原料炭の大規模開発・生産事業を展開しており、原料炭の価格高騰を受け、同事業を柱とする金属資源部門が上期に1500億円近い部門純益を叩きだした。原油・天然ガスのエネルギー部門も558億円の純益を記録し、いわゆる資源分野で2000億円もの純益を半年間に稼いだ計算になる。

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