アラサーのための戦略的「人生相談」--会社を辞めるかどうか、悩んでいます
「広瀬さん、どういうことしたいの?」と聞かれたので、「日本のスポーツに関する産業政策を研究したい」と答えて、霞ヶ関で研究員として働くことになったんです。後で知ったんですが、どうも紹介者が、99年に僕が書いた論文「スポーツのソーシャル・パフォーマンス」を青木所長に読ませていたらしい。
周りから見ると、僕はすごく決断しているように見えているかもしれませんが、こうしてみると、結構行きあたりばったりでしょ。自分では最終的にはディレッタントを目指しているだけの話だから、どの道を通っても、どの仕事をしていても、その最終ゴールにたどり着けばいいと思っているんです。
何事も、事前にどんなに考えても、実際に経験してみないとわからないものです。ある程度の慎重さは必要ですが、それ以上考えたって無駄。「下手な考え、休むに似たり」って昔から言うでしょ。「自分にはいつ転機が来るんだろう」なんて待っていても、来ないですよ。後から振り返ってみれば、「ああ、あれが転機だったなあ」ということは確かにあるだろうけど。
ただ、世に中には、「転機をつかむ人」と「逃がす人」がいます。「つかむ人」は、転機を探したり、待ったりしてはいませんよ。何がしかの戦略を持っているので、来たときには十分な準備があり、対応ができる。結果「つかむ人」になる。
いい機会だから「戦略」について簡単に説明しておきます。
戦略というのはもともとは軍事用語です。だからドラッカーが最初に出した本のタイトルに「戦略」という言葉を使ったら、出版社に「戦争用語だから」という理由で断られ、タイトル変更を余儀なくされています。