いるいる! 話し合いを「ぶち壊す」こんな人 8種の「モンスター」傾向と対策〈第1回〉

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話し合いをぶち壊す「モンスター」とは?

話し合いにはしばしば、「モンスター」が現れることがあります。ここでの「モンスター」とは、自己中心的な言動で周囲と衝突し、議論のスムーズな進行を妨げてしまう人のことを指します。「モンスター」がひとり出現すると、全員がその対応に多大なエネルギーを消費し、話し合いの「結論」の質に影響が出ます。

特に人数が多いほど、「モンスター」の出現率は高くなり、それを抑止する人の負荷が上がるため、「モンスター」の行動に影響されてしまいやすく、結果的に話し合いを破綻させられる確率が高まってしまいます。巻き添えを食わないためには、ある程度の危機管理対策を立てておくことが必要になるでしょう。

ただし、重要なのは、気をつけていないと誰もが「モンスター」になりうる可能性があることです。押しの強いタイプの人は、気づかぬうちに「デストロイヤー」になっているかもしれませんし、苦手なトピックに当たった際は自然と「お地蔵さん」と化してしまうかもしれません。

「モンスター」と呼んでしまうと、自分には縁がないように思えるかもしれませんが、知らず知らずに「モンスター」になっていないか、つねに自省が求められるということです。

就活のグループディスカッションにおいては、メンバーがランダムで振り分けられるため、全員が一定確率で「モンスター」に遭遇することになります。よくグループディスカッションの後で、「あいつはそうとう、メンドくさかった」のような特定の「モンスター」を呪うようなコメントが聞かれます。気持ちは大変よくわかるのですが、生産的でないため、やはり控えたほうがよいかと思います。

これは、実社会では基本的に働く相手が選べないために、それを模した選考のグループディスカッションにおいても、与えられたほかのプレーヤーという初期設定の環境下で、どれだけ価値に貢献できるかが問われているからです。運の要素が強い麻雀における一流の雀士で、ランダムに決まる最初の配牌の悪さを嘆く人はいないでしょう。麻雀が与えられた配牌の下でのリスク管理能力を競うゲームであるからですが、この意味でグループディスカッションも似ているかもしれません。

以下は筆者自身の経験や、今まで耳にしてきた数々の都市伝説を基にまとめて、類型化したものです。もちろん、現場には非常に個性的なキャラクターが出現することがあり、パターン化ができないようなプレーヤーが多く現れます。

それでは、前置きはこれくらいにして、個別の「モンスター」をご紹介していきます。

デストロイヤー

俺はあなたの部下じゃない……「デストロイヤー」

「デストロイヤー」とは、自己中心的な闘争主義を持つタイプです。非社会的な行動で話し合いの混乱を招き、時には存立自体を危ぶませます。誰かが鎮静化させようとしても、逆に威嚇されてしまうこともあります。最悪の場合は誰も止められず、話し合いで何も決まらなかった、ということにもなりかねません。デストロイヤーは、さらに以下の2つのタイプに分けられます。

次ページ「デストロイヤー」の2タイプ
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