【産業天気図・スーパー/コンビニ】猛暑特需など消え後半「曇り」へ悪化、同業買収軸に優勝劣敗鮮明に
10年10月~11年3月 | 11年4月~9月 |
2010年10月以降のスーパー・コンビニ業界の景況感は、前半の「晴れ」が後半には「曇り」へと悪化しそうだ。猛暑需要やタバコ増税直前の駆け込み特需が剥落した後は、大きな業績牽引材料が見当たらない。
2月決算の多いスーパー・コンビニ大手各社の10年3~8月期(上期)業績は、おおむね堅調だった。特にコンビニは猛暑の恩恵を受け、採算の良い清涼飲料・アイス・冷やし麺がヒット。既存店日販(1日当たり売上高)の前年同期比プラス化に大きく貢献した。
ただ、その後は険しい。9月~11年2月期(下期)に入ると、冒頭の9月にタバコ増税前の駆け込み購入特需があり、既存店日販は上期に引き続きプラスになった。ところが10月以降は反動減でマイナス推移。足元では大手を中心に11月以降、横ばいに戻しつつあるものの、年明け以降の回復は国内景気次第が実情だ。
こういった厳しい地合いの中で、スーパー・コンビニ業界では優勝劣敗が鮮明になりそうだ。主要各社は自社の得意分野をどう伸ばし、不採算部門をどうリストラするか。さらには地方スーパー、下位コンビニをめぐって、さらなる業界再編のうねりも強まっていきそうだ。
その傾向が顕著なのはコンビニ業界。トップ群がM&A戦略で成長を競っている。コンビニ上位3社(セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマート)で最も勢いがあるのは、相変わらずファミリーマート。買収したam/pm店舗の看板替え工事が加速しているが、衣替え後の日販が3割増と快走中だ。
セブン&アイ・ホールディングス傘下でコンビニ首位のセブンは、他社に先駆けて10年6月に既存店日販がプラス化するなど地力の強さをアピール。ローソンも音楽ソフト小売りHMVを買収してネット通販部門の強化を図るほか、サークルKサンクス系列のエリアフランチャイザーであるサンクスアンドアソシエイツ富山からコンビニ事業を譲受するなど、大手3社による陣取り合戦の様相だ。