結婚したら独身の友人たちと疎遠になってしまうことがあっても仕方ないと思う。といって、夫婦単位で遊ぶ機会も多くはない。梶原さんが言うように、同窓会などに家族連れで行くと「空気が読めないヤツ」と思われるおそれもある。寂しがる配偶者を放って遊びに行くこともできない。
梶原さんや僕のように独り遊びが苦手な人間は、妻と「無二の親友」になることが重要なのだと感じる。たまには独りで静かに過ごしたり、みんなで盛り上がったりする時間があっていいけれど、ふたりきりでいることがやっぱり気楽で面白い。
うれしいことや悲しいことがあったときに、真っ先に話して分かち合いたいのは妻であり、おいしい居酒屋を見つけたら一緒に行きたくなるのも妻である。そんな関係になるためには、お互いが無理をせずに余裕を持って生活できる環境整備と心構えも必要だと思う。
「結婚したらバカなことばかり言っていたらダメだと思って、自分を抑えています」
うつむき加減にポツリとつぶやく梶原さんに伝えたい。バカなことを言うのもあなたの持ち味であり、親友である奥さんにどんどん言えばいい。マニアックな映画も一緒に見られる奥さんなのだから、あきれつつも受け入れてくれるはずだ。
ふたりの関係がリラックスしたものになれば、引っ越し先である郊外でも家に遊びに来てくれるような友達ができると思う。僕たちは我慢して義務を果たすために結婚するのではない。人生をより豊かに面白いものにするために、それにふさわしいパートナーと巡り合って家族になるのだ。
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