モテる女性が早めに結婚するとはかぎらない。運と決断、そして努力が組み合わさったときに初めて相手が定まり、その結婚生活を継続できるのだ。大手企業の総合職であり、細身の垢抜けた美人でもある小林麻里さん(仮名、42歳)との会話で、この現実を僕はあらためて認識した。
4年前に現在の夫である郁夫さん(仮名、39歳)と結婚した麻里さん。30歳を過ぎてから、別の5歳年下の男性2人と連続して付き合った末の結婚だったと明かす。
麻里さんによれば、悲しく苦しい恋愛だったらしいが、その経験が今に生きている側面もあるだろう。郁夫さんと出会う前の2人の恋人を、時系列順にAさんとBさんとして振り返っていきたい。
二股から始まった、「自分に気のない彼」とのつらい恋
Aさんと最初に会ったのは10年ほど前、赴任先の中国のある地方都市でのこと。上海や北京に比べると日本人駐在員が少ないため、語学スクールなどを通して日本人同士が仲良くなりやすい環境だった。麻里さんとAさんは共通の趣味であるテニスを通じて会う機会が多く、なにげない会話に面白みを感じることが増えていった。そのうちに麻里さんが先に帰国することが決まった。
「彼が私にあまり興味がないことはわかっていました。でも、帰っちゃえば会えなくなるから、気持ちを伝えようと思ったのです。『好きになっちゃったんですよね』と、人生で初めての告白をしました。彼の返事は『日本に彼女がいる。だからといって、これで終わりは嫌だよね』。私が帰国するまでの数週間は楽しくデートする関係になりました」
Aさんからすれば都合のいい関係である。麻里さんも「数週間だけの思い出」として割り切るつもりだったのだろう。しかし、帰国してからもAさんから頻繁に連絡が来るようになり、お互いが出張や一時帰国をしたときは会うようになった。
「いわゆる二股ですよね。こういうのはよくないな、嫌だなと思っているうちに1年が経ってしまいました。あるときに勇気を出して『彼女はどうするの?』と聞いてみたら、『彼女なんていないよ』と答えるのです。いつの間にか別れていたようです。じゃあ、私が彼と付き合えるんだー、とは思いましたが、そういう始まりだと不信感や不安がずっと残ります。同じように私もまた別の人に乗り換えられるんじゃないか、と」
無料会員登録はこちら
ログインはこちら