(第41回)日本の大学教育は社会の要請に無反応

(第41回)日本の大学教育は社会の要請に無反応

日本の将来にどうしても必要なのは、先進的なサービス産業である。それは高度な専門知識を持つ人材によって築かれる。したがって人材の育成が重要な課題だ。

その役割を果たすべきは大学だ。では、日本の大学はそれに応えているだろうか? 残念ながらそうでないことは明白だ。

日本の大学の法学部、経済学部、商学部などの学部は、マスプロ教育によってジェネラリストを養成しているだけで、専門家の養成はしていない。だから企業は、事務系専門家の教育を大学に期待していない。そして採用後のオンザジョブトレイニングで実務の教育をする。これが日本での一般的な姿である。しかし、それでは過去のビジネスモデルからの脱却は難しい。

アメリカでは、ビジネススクール、ロースクールなどのプロフェッショナルスクールにおいて、高度な実務専門家の教育が行われている。ところが大学院生の専攻別分布を示した前回の表からも明らかなように、日本の大学にはこれに対応する組織がない。これが日米大学の大きな違いである(日本でプロフェッショナルスクールと言えるのは、医学部だけだ)。

日本の大学にも工学部という実務教育の学部はあるのだが、その反面で、文系の実務的な教育は大学で行うべきでないという考えが強かった。法律や経済の大学院はあるが、それは研究者育成を目的としたものだった。

「日本でも高度な専門家の育成が必要」との認識が強まり、法律、ファイナンス、会計、公共政策等の分野に専門職大学院が作られた。しかし、発足してから日が浅いこともあり、アメリカのプロフェッショナルスクールとはだいぶ差がある。

企業側の対応もアメリカとは大きく違う。アメリカでは、ビジネススクールの学位を取れば給料が上がる。だから教育投資としての意味がある。

政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 逆境からの人々
  • 西村直人の乗り物見聞録
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 仲人はミタ-婚活現場からのリアルボイス-
トレンドライブラリーAD
人気の動画
スバリスト、トヨタ購入者とまったく異なる嗜好
スバリスト、トヨタ購入者とまったく異なる嗜好
築40年超「老朽マンション」丸ごと建て替えの大問題
築40年超「老朽マンション」丸ごと建て替えの大問題
「料理が突然、上手になる」たった1つの簡単秘訣
「料理が突然、上手になる」たった1つの簡単秘訣
実家が迷惑施設化「7戸に1戸空き家」日本の大問題
実家が迷惑施設化「7戸に1戸空き家」日本の大問題
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
持たざる国・日本に大激震<br>エネルギー危機が来る

脱炭素の移行期に化石燃料の争奪戦が勃発。天然ガスの価格は歴史的な急騰を記録しました。余波はサプライチェーンの混乱から世界経済の後退懸念、原発待望論まで広がります。資源小国の日本が生き残る道はあるのでしょうか。

東洋経済education×ICT