不妊治療中の女性を苦しめる「会社の余計な配慮」 制度だけでなく社内の風土づくりも重要だ

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不妊治療中の社員に誤った配慮をしないための企業の注意点を解説します(写真:Graphs/PIXTA)
不妊治療をする人が増える中、仕事との両立は差し迫った課題だ。厚生労働省の調査によると、16%の人が、仕事と治療を両立ができずに離職をしていることがわかっている。
近年、企業の側にも従業員を支援する動きが広がり始めている。だが不妊治療の状況や、働き方は人それぞれだ。会社と従業員がお互いにとってベストな付き合い方をするにはどうしたらいいのだろうか。
4日連続特集「不妊治療は“ひとごと”ですか?」3日目第1回は、不妊治療中の社員に対し、企業がどう対応すべきなのかについて探る。
【3日目のそのほかの記事】(1~2日目の記事はこちらからご覧ください)。
第2回:禁欲期間長いと妊娠率低い「男性不妊」意外な盲点
第3回:川崎希・アレク「いつか子どもに受精卵の写真を」

上司に不妊治療のことを伝えたら…

「不妊治療のことを会社に話した私がバカだったと感じました」

そう後悔を漏らすAさんは7年前、勤めていた大手IT企業を退社した。背景には不妊治療中に受けた“不当”な扱いがある。

この特集の一覧はこちら

Aさんは20代で結婚。数年後に不妊治療を開始した。当時大手IT企業の制作職として働いていた彼女は、仕事との両立を考え、昼休みにタクシーで行ける会社近くのクリニックに通っていた。

休みが必要なときは有給休暇でまかない、体調の悪い日も我慢してなんとか出社する生活を続けた。

だが治療の段階が進み、体外受精が始まると、次第に昼休みや有休を使った受診では間に合わなくなってきていた。プライベートなことを伝えたくない気持ちはあったものの、やむをえず直属の男性上司に治療を受けていることを話したという。そのとき、上司が言ったのは「大変だね、無理はしなくて大丈夫だから」という気遣いの言葉だった。

しかしその後、これまで参加していた商戦期などの大型プロジェクトから外され、代わりの利く通常業務に回されるようになった。大型プロジェクトに参加しなければ、社内での評価や給料は上がらない。こうした処遇について上司から説明はなかった。

またあるときは、社内で居合わせた役員が突然こう声をかけてきた。

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