就活生を失望させる「残念な採用担当者」の発言 NG項目知らず不適切発言をしてしまう大人たち

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嫌味な発言で学生の意欲を低下させる一方で、空手形を切る面接担当者もいる。「ぜひ」「一緒に」「働きたい」と強い熱意を示して面接を終える。当たり前だが、学生は面接通過を信じて期待し待つ。他社への就活は控えるかもしれない。そして裏切られる。

悪意はないのかもしれない。その面接担当者は「採用」と判断したのかもしれない。だが、複数で1人の志望者の採否を検討し、全員がOKとなることはむしろ少ない。また、もっと評価が高い学生が現れたのかもしれない。いずれにしても学生にとって原因はどうでもよく、「落とされた」という結果だけが残る。学生にとってつらい経験だ。

「落ちたとわかるような態度」(文系・旧帝大クラス)に不満を漏らす学生もいるが、期待させるより罪は軽いと思う。

「ぜひ一緒に働きたいですという言葉。結果は不合格だった。変に期待させることを言わないでほしい」(文系・中堅私立大)

「二次面接で、次の面接を期待させるような言動をされたことです。あまりに具体的だったので次を期待しましたが、結局不合格となり精神的に辛かったです」(文系・上位私立大)

「ぜひ一緒に頑張りましょう。と言われたのに落とされた」(文系・早慶大クラス)

「そこでぜひ活躍してほしいと言って落とされた」(理系・旧帝大クラス)

言葉遣いが幼稚で汚い

数は少ないが、言葉遣いの汚い面接担当者もいる。社会人なのに「人事の一人称が俺だったこと」(文系・上位私立大)という。「めっちゃ、ガチで」(理系・上位私立大)は子どもの形容句だ。

相槌は会話の潤滑油だが、アクセントやタイミングによっては相手を否定する表現になってしまう。以下の面接担当者は学生を小馬鹿にしている。

「家族構成への質問で嘲笑、『あ、そう』」(文系・上位国公立大)

「『ふ~ん』という相槌は言ってほしくなかった。こちら側は緊張していて一生懸命話しているのに軽くあしらうのは失礼ではないかと感じた」(文系・その他私立大)

「はぁ~、疲れた」(文系・旧帝大クラス)

今回は面接で「言ってほしくなかった」、つまり「言われた」言葉を紹介した。言葉遣いや礼儀の粗い面接担当者はいつの時代にもいるものだ。

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気になったのは意識の乖離が目立つことだ。女性の扱いに関する発言。女子学生をひどく刺激し、傷つけていると気づいていない。むしろ女子学生の疑問に正直に話しているのだろう。そして、正直であればあるほど反発は大きくなる。

これまでも女性蔑視的な企業文化に対する不満や反発はあったが、今回のアンケートを読むとかなり印象が異なっている。日本社会の後進性と学生の意識の落差が目立つ。

企業が言葉で糊塗しようとしてももう通じない。学生は見抜いており、どのように自社の文化を説明するかは大きな採用課題になると思う。

佃 光博 HR総研ライター

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つくだ みつひろ / Mitsuhiro Tsukuda

編集プロダクション ビー・イー・シー代表取締役。HR総研(ProFuture)ライター。早稲田大学文学部卒。新聞社、出版社勤務を経て、1981年文化放送ブレーンに入社。技術系採用メディア「ELAN」創刊、編集長。1984年同社退社。 多くの採用ツール、ホームページ製作を手がけ、とくに理系メディアを得意とする。

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