ミソジニーという言葉を使う学生もいる。ミソジニー(misogyny)は、女性に対する嫌悪や蔑視を指す用語だ。「男性を元気づけてあげて楽しませる」もあるが、ネオン街と勘違いしているように思う。「愛されて気に入られる存在でなければならない」も女性を規範的に捉えており、時代錯誤を通り越して気持ちが悪い。
「『女性が男性を元気づけて楽しませてあげて』というミソジニーな言葉。『お酒とタバコに抵抗はないか、飲み会を盛り上げられるか』という時代錯誤な質問」(文系・早慶大クラス)
「女性が活躍するためには、愛されて気に入られる存在でなければならないと言われた。志望度が高かったが、一気に止めようと思った」(文系・上位私立大)
「女性の働き方」「女性なのに」「女性だから」も差別的な意識が透けて見える。
「女性なのになぜ総合職を受けているのか何度も面接で聞かれたときは、なぜ、女性が総合職を志望することに疑問を持たれるのか理解できなかった」(文系・早慶大クラス)
「男性と話す機会が多い仕事ですけど、男性の多い環境に抵抗はないですか? という質問は不愉快だった。男女差についてあえて言う必要はないと感じた」(文系・その他国公立大)
上から目線で否定してくる
面接では立場の強弱がある。片方は応募学生、片方は採否を決める面接担当者。そして、どの社会にも弱い相手に対し高圧的に接する人間はいる。そんな発言を紹介する。
「他社の悪口。学生を見下すような言葉。あくまで自分らが正しいと言い張るような言葉」(理系・早慶大クラス)
「履歴書を提出したのにもかかわらず、名前をずっと間違って呼ばれ続けたこと」(理系・早慶大クラス)
「自分をひたすらに否定するような内容。『志望動機は不要』『自己アピールは不要』『あなたとは働きたくない』など」(文系・旧帝大クラス)
「模範回答のような回答ですね」(文系・中堅私立大)
「私がガクチカ(学生時代に力を入れたこと)を伝えた後に、『自分は〇〇ということを学生時代にやっていたから、君のはすごいと感じられなかったな』と言われた」(文系・上位私立大)
「馬鹿なんですね。勉強してこなかったんだね。飽き性で勉強嫌いって認識しているんだね(そのようなことを伝えた記憶はない)」(文系・その他私立大)
ひどい発言の数々だ。とくに最後の「馬鹿なんですね」はとんでもない発言だ。落とすと決めているから全否定する言葉を投げつけているのだろうし、学生にも非礼があったのかもしれない。しかし、学生のコメントを読むと、社会人としての礼儀を学んでいないのは面接担当者のほうのように見える。
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