ところが最近、「糖質ゼロビール」が登場し、業界で大きな話題を呼びました。これまでは「麦芽の使用量」が多いビールにおいて「糖質ゼロ」は不可能といわれていたのです。
なぜビールで「糖質ゼロ」を成功させることができたかというと、でんぷんを完全にブドウ糖に分解させ、さらに酵母がそのブドウ糖のすべてをアルコールに変えるという「技術」を開発したからというのが一因にあります。
すべての糖が「酵母のエサ」となって分解されれば、糖質はゼロになります。
これは本当にすばらしい技術であることは間違いないと思います。これは、「糖質オフビール」に限らず、どの食品の「糖質オフ」も、それぞれ各メーカーの技術革新、工夫の成果といえるでしょう。
「糖質オフビール」は本当においしい?
しかし、問題は「味」です。もちろん味覚には個人差があり、商品差もありますが、総じて「糖質オフビール」は、どれも「本物のビール」に比べて水っぽくて、ビール本来のおいしさを感じることができません。少なくとも私はそう思います。
「糖質こそがビールのうま味」と述べましたが、それを抜いてしまったら往々にして、一緒においしさも抜けてしまうのです。それゆえに「糖質オフビール」は、「ビール本来のおいしさ」を十分楽しむことができません。
みなさん、本当に「糖質オフビール」はおいしいと感じますか?
もちろん、「少々味が犠牲になっても、あるいは、発泡酒や新ジャンルで、ちょっとくらい添加物を摂取しても、糖質オフのほうがいい」という考え方もあると思います。それはそれで、もちろんいいのです。
ただ、そこで私が違和感を持ってしまうのは「その糖質オフビールで減らせる糖質は、はたしてどのぐらいなのか」ということです。
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