ビールはまず、ビール大麦を発芽させて麦芽を作ります。この麦芽を砕いて、コメなどの副材料と混ぜ合わせて温度管理を行います。この過程で麦芽に含まれるでんぷんが、酵素の働きで糖に変わります(糖化)。同時にたんぱく質もアミノ酸に変わります。
これをろ過してホップを加え、酵母を入れて発酵させます。この酵母が糖を食べることにより、アルコールと炭酸ガスを作り出します。こうして出来上がるのがビールです。
発酵の際、すべての糖がアルコールに変わるわけではなく、一部は残留します。この糖やアミノ酸のおかげで、ビールのあの「芳醇な味わい」と「独特の風味」が醸し出されるのです。
また、でんぷん自体も、すべてが糖に分解されるわけではなく、一部は未分解のままで「中間物質」(デキストリン)となって残っています。この中間物質も「コク」「うま味」の1つになっています。つまり、ビールのうま味は「糖」にあるのです。
発泡酒・新ジャンルビールの味には「秘密」があった
「ビール」と「発泡酒・新ジャンル(第三の)ビール」の違いは「麦芽の量」と「副原料」です。発泡酒や新ジャンルビールは、税金対策で「麦芽の使用量」が少ない、あるいは麦芽を使っていないから、簡単に「糖質オフビール」を作ることができます。しかし麦芽が少ない、またはゼロだけに、「ビールのうま味」が足りません。
そのため、後述する「副原料」に加えて、「人工甘味料」「糖類」「酸味料」「調味料(アミノ酸)」などで味を補うのです。色も薄いから、「カラメル色素」を使ってビールっぽい色を付けたりします。つまり、それらのビールには「副原料」に加えて「添加物」が大きな役割を担っているのです。
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