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夢と現実の間で
テレビ局のアナウンサーは子どもの頃からの夢だった。狭き門ゆえ周囲から反対されたものの、どうしても夢をかなえたくて、卒業生にアナウンサーが多い立教大学を選んで進学した。大学では専門学校3校を掛け持ち。学業との両立で多忙を極め、とうとう過労で倒れて救急車で搬送されたこともある。それほどストイックに追い求めた夢だった。
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間もなくアナウンサーらの所属事務所から声がかかる。大学3年生からは学生キャスターとして首都圏のテレビ局でお昼と夕方の情報番組に出演するようにもなった。
努力が実を結び、新卒で憧れだったNHKに入局。三重県・津放送局の配属となり、ニュースを読んだり、現場からの中継やリポートをしたり。「夢のように楽しくて、天職だと思うぐらい」、刺激的な毎日だった。
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一方で、アナウンサーという仕事を続ければ続けるほど、自分に求められる価値の一つが「若さ」であることに気づいた。「人は必ず年を取り、若さが失われていくことには誰もがあらがえない。それなのに若さに価値が見出され、年を取ることを喜べない生き方ってどうなのだろう」。
心の中に疑問を持ちながら仕事を続けていた時のこと。夕方の情報番組で、伝統工芸の職人を紹介する「東海の技」というコーナーを担当するようになった。この仕事がきっかけで、伝統工芸の世界に魅せられていく。
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