「どこ行くの」「帰りは何時?」婚活阻む老親の圧力 シニア男女の出会いにつきまとう親の介護問題

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シニアの婚活で問題になるのは、親の介護。今回は老いた母親と2人暮らしの女性の話です(写真:Deja-Vu/PIXTA)
仲人見で言うと、新型コロナが蔓延して2年目に突入したあたりから、40、50代の初婚、再婚を希望する婚活者が男女共に増えた。それまで、仕事や趣味が充実し、親しい人たちと楽しい時間を過ごしてきた彼らが、不要不急の外出制限や在宅ワークの奨励によって、独身でいることに急に孤独を感じたからではないだろうか。
仲人として婚活現場に関わる筆者が、婚活者に焦点を当てて、苦労や成功体験をリアルな声と共にお届けしていく連載。人生100年時代。これからますます盛んになるシニアの婚活に立ちはだかるのが“老いた親の介護問題”だ。そこを、どう解決しながら婚活を進めていけばよいのか。今回は一緒に考えてみたい。

都内近郊に住むきみえ(45歳、仮名)が、入会面談にやってきた。メーカーに勤めるOLで、30代のときに結婚を考えた相手もいたが、36歳で破局。現在は85歳の母親と同居しているという。

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結婚に踏み切れなかったのは、相手の金銭感覚の問題だった。

「フリーランスで仕事をしていた方だったのですが、大きなお金が入ると高い機材を買ってしまう。フリーにとって自己投資は大切なのでしょうが、貯金がほとんどなかった。フリーだから将来の保証もない。結婚の話が持ち上がったとき、そんな男性との生活では将来が不安になってしまった」

36歳だからまたすぐに付き合えるだろう

男性とは友達の紹介で出会った。最初は好きな気持ちが勝っていたが、そこから4年の年月が経ち、リアルに結婚生活をとらえたときに、OLの自分では寄り添えないと感じた。

同時に「まだまだ36歳なのだから、またすぐに付き合う人が現れるだろう」と、どこかで高をくくっていた。ところが、出会いがないまま気がつけば42歳になっていた。

「結婚をやめてからのことを振り返ってみると、まったく出会いもなかったし、男性から声をかけられることもなくなっていた。合コンのお声もかからなくなりました。歳をとるって、こういうことなんだなぁ……と。そこで、あせって大手の結婚相談所に入会したんです」

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