かずお(仮名、52歳)が入会面談にやってきた。大手メーカーに勤め、年収は1000万円。3年前に21年間暮らしていた妻との間に離婚が成立した。息子が1人いるが、現在は関西の大学に通っているという。
「息子が大学に入学した年に、離婚を切り出されました。私は仕事がら出張が多く、家を空けることも少なくなかった。元妻は、もう何年も前から付き合っている男性がいて、息子が大学に入ったら離婚をしようと考えていたようなんです。
私にとっては青天の霹靂でした。他の男に気持ちを移した元妻には腹立たしさを覚えましたが、つなぎとめておく未練も情熱もなく、あっさりと離婚に応じました」
そこからは、気楽な独身生活が始まった。
気楽な独身生活を一転させた新型コロナ
「今の時代、コンビニやスーパーに行けば、お一人様分の食事はいくらでも調達できるし、洗濯は洗濯機がやってくれる。男の一人暮らしだと家もそんなに汚れないから、掃除も1週間に1回程度。相変わらず出張も多かったし、気楽な独身生活でした」
ところが、コロナの感染が世界中に広まり、日本でも感染者が日に日に増えていった一昨年あたりから、出張もパタリとなくなり、家でリモートワークする日々が続くようになった。
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