「見た目は中年・心は乙女」シニア婚活で見た女たち 「私、金のかかる女なの」と言い放つ47歳の強気

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かずおは私に言った。

「彼女が言ってることはもっともですけど、そのキレっぷりが普通じゃなかった。だけど、二、三度会っただけで、これからの人生を共に歩む結婚を決められますか? こんな些細なことでキレる女性かどうかも、付き合っていかないとわからないじゃないですか」

そして、たえの話をよくよく聞いてみると、結婚を急ぐには理由があった。今は娘の家に居候しているのだが、娘には婚約者がいて、年内に結婚予定している。そうなると今の家を引き払うことになる。娘が出ていった後にそこに1人で住んでもいいのだが、家賃を払って生活をしていくだけの経済力が自分にはない。そこで自分も再婚を考えた、とのことだった。

経済的に支えてくれる相手なら誰でもいい

「自分を経済的に支えてくれる相手なら誰でもいいのかな、と思ってしまいました」

そして、この日を境にたえとも連絡を取らなくなった。

人生100年時代。40代、50代になると、すでに人生の半分を生きてきたぶん、そこには自分の心地よい生き方やライフスタイルがある。そうした熟年の男女の結婚は、20代や30代での結婚とは、違う難しさがある。

かずおは言った。

「我流で婚活をしてみて、相手を選ぶ判断基準がだんだんわからなくなっていったんです。他力本願になるつもりはないけれど、仲人さんがいて、プロの目からも判断してもらえる婚活をしたほうがいいんじゃないかって思うようになって、こちらに伺ったんです」

今回は男性側から見た40代後半、50代女性の話だったが、女性側から見たこの年代の男性もかなり多くの問題をはらんでいる。

恋愛未経験の男性は女性の扱い方を知らないし、デリカシーがない。これまで自分のためにだけお金を使ってきた男性は、人のためにお金を使ったことがないので、金銭的に細かかったり、ケチだったりする。専業主婦だった母親と暮らしてきた男性は、“家事は女性がやって当たり前“だと思っている節がある。

1人で生きていくのは寂しい。パートナーとともに生活することは、煩わしいこともあるが、楽しく豊かな時間も多いはずだ。ただ新型コロナの蔓延によって、孤独を実感したシニアたちが挑む婚活は、これまでの自分の価値観やライフスタイルを柔軟に変えていかないと、成功しないのだ。

鎌田 れい 仲人・ライター

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かまた れい / Rei Kamata

雑誌や書籍のライター歴は30年。得意分野は、恋愛、婚活、芸能、ドキュメントなど。タレントの写真集や単行本の企画構成も。『週刊女性』では「人間ドキュメント」や婚活関連の記事を担当。「鎌田絵里」のペンネームで、恋愛少女小説(講談社X文庫)を書いていたことも。婚活パーティーで知り合った夫との結婚生活は19年。双子の女の子の母。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。公式サイトはコチラ

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