「見た目は中年・心は乙女」シニア婚活で見た女たち 「私、金のかかる女なの」と言い放つ47歳の強気

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「たまにスーパーに買い出しに行くと、今までは気にもならなかった家族連れや仲良く食品を選んでいる老夫婦が目につくようになったんです。1人で食べる食材をカゴに放り込んでいる自分の生活が、急にわびしく思えた。

息子も大学を卒業したら独立するだろうし、これからの人生、20年、30年、下手したらもっと生きるかもしれない。このまま1人は寂しいなって」

“ともに生きていくパートナーが欲しい“と、強く思ったという。

「離婚をしていた大学時代の友達が『婚活している』という話を前に聞いたのを思い出して、連絡を入れてみたんです。そうしたら、『婚活するなら、アプリがいいよ』と言われました。最初はメッセージのやり取りでお互いの自己紹介みたいなことをして、気が合うと思ったら、リアルで会うと。ただ、自分はそんな気の利いたことも書けないだろうし、会うまでに時間もかかるのも面倒だな、と」

 そんなときに、婚活パーティーの存在を知った。

40~50代対象の婚活パーティーがある!

「ネットで調べたら、40代、50代を対象にしたパーティーもある。パーティーならその場でリアルに出会って印象がわかる。アプリよりパーティーのほうが自分には向いているんじゃないかと思ったんですね。“この歳になって、婚活パーティーに行くのか“という気恥ずかしさもあったけれど、まずは行動を起こすことにしました」

 そして、昨年の春くらいから40代後半、50代を対象にしたパーティーに参加するようになった。

「前の嫁さんとは20代のときに友達を介して出会って、自然な流れで結婚したから、婚活なんて生まれて初めて。いやぁ、最初は婚活の洗礼を受けまくりましたよ」

初めて参加したパーティーではマッチングならず。次に参加したパーティーでは、5つ下の女性、まり(仮名、47歳)とマッチングした。

「マッチングは初めてのことだったので、有頂天でした。それで会場を一緒に出て、駅まで一緒に歩いていきながら、ランチに誘ったんです。そしたら、快く応じてくれて。でも、どこに行っていいかもわからなかったから、『あそこでいいですか?』と、道を挟んだファミレスを指差したら、露骨に嫌な顔をされました。

それで、『このあたりは知らないから、いい店あったら連れていってください』と言い直したんです」

結局、彼女が「ここにしましょう」と言ったのは、道沿いにあった小洒落たイタリアンレストランだった。

「デートの店はファミレスじゃダメなんだなって、学びましたよ。そこで彼女がオーダーしたのが、4000円ちょっとの一番高いランチコース。自分も同じものにしたので、ランチで8000円。“婚活って、金がかかるんだな“と思いました」

次ページレストランでまりが語った内容は…
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