再評価される「モーニング娘。」の強さとは? AKB48との決定的な違い、つんく♂の思い

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モーニング娘。の「リーダー」の地位は、初代中澤裕子に始まり、原則として卒業とともに次代へと継承されていきます。この記事を執筆している時点で、現リーダーは道重さゆみです。

モーニング娘。の歴史はリーダーの歴史でもあります。中澤裕子「姉さん」の下で順調にヒット作を飛ばした2000年ごろ。これを引き継いだ飯田圭織の時代に、モー娘。はCD売り上げの減少を経験します。それでも、その全盛期を支えた飯田圭織や吉澤ひとみがリーダーとなり、モーニング娘。を引っ張っていきます。しばしば言及される高橋愛リーダーの時代には、モーニング娘。からさらに進化したAKB48が台頭する中、従来のホンモノ路線をさらに強化し、フォーメーションダンスを極める実力派アイドルへと、AKB48とは違った方向にモーニング娘。も進化していきます。

高橋愛の路線を引き継いで

「歌とダンスの実力派アイドル」という今のモーニング娘。のイメージは、もちろんその初期設計に源流はあるのですが、この高橋愛の時代に確立されたといってもいいでしょう。今の道重さゆみは、その高橋愛の路線を引き継いでいます。

道重さゆみは、2003年にモーニング娘。に加入した、在籍期間が歴代最長12年というメンバーでもあります。全盛期の香り漂う時代から今までの、リーダーたちの苦悩と努力の姿を、そして秋元康をして「今のアイドルグループでは歌とダンスならモーニング娘。が最高」と言わしめるところまで極めていった歴代メンバーたちの汗と涙を、道重は自ら見てきました。

そうした先輩や同僚の思いを受け継いだ道重は、当初はむしろ生意気でナルシストな妹キャラでしたが、近年のモーニング娘。への再評価を見るかぎり、モーニング娘。のリーダーとしての重責を果たしたと言えるでしょう。道重は予定されている卒業公演をもって、芸能活動も停止すると発表していますが、これまでの経験は、どういう道に進むにせよ、彼女の人生を支えてくれると思います。

そして、道重からまた新しいリーダーへとバトンは手渡されます(そのはずです)。中澤裕子、飯田圭織から吉澤ひとみへ、そして高橋愛、新垣里沙へと手渡されたバトンのリレーはまだまだ続くのです。

AKB48との違い:システムと商品性

こうしてみると、モーニング娘。には、単にAKB48の原型と片付けてしまうことができない、モーニング娘。流のシステムがある、というべきでしょう。圧倒的な規模を武器にしてシステマティックに攻めるAKB48に対して、クオリティの伝統を引き継いで作り込まれていくモーニング娘。。AKB48というグループと、モーニング娘。というグループの違いは、そのシステムに起因しています。

今の日本で、両者の収益やマスメディアの取り扱いを見るかぎり、AKB48が圧倒的に勝っているようにみえることは否めないでしょう。しかし、このモーニング娘。の路線ゆえに、AKB48に圧倒的に勝っていると思われる面がひとつあります。それは、海外市場における知名度です。

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