NHK朝ドラ「マッサン」の"大いなる賭け"

「あえて」なのか?"勝利の方程式"を外す大冒険

先週9月29日から放送が始まったNHK朝の連続テレビ小説「マッサン」。王道中の王道だった「花子とアン」の次の作品として注目していましたが、主役は日本人男性と外国人女性。朝ドラといえば「日本人女性」の一代記なのに、そこを外してキャスティングしたのですから、これはかなりの変化球。「あまちゃん」のヒット以来、視聴率が好調だからこそできる“冒険作品”とも言えそうです。

高視聴率「勝利の方程式」をあえて外す?

「マッサン」はニッカウヰスキーの創業者、竹鶴政孝さん(1894~1979年)とその妻リタさん(1896~1961年)をモデルとした物語。主人公のマッサンこと亀山政春(玉山鉄二)は、大正時代、国産初のウイスキー製造を目指して大阪から本場スコットランドに渡り、技術を習得。現地でスコットランド人の女性エリー(シャーロット・ケイト・フォックス)と恋に落ち、結婚しますが、日本に帰国後、ほうぼうから結婚を反対され、波乱の日々が始まります。

あえて「勝利の方程式」を外す?賭けに出るNHK

今後、物語は国際結婚カップルの人情喜劇になっていくようで、
“夢に生きる不器用な日本男児”と“大阪弁を話す気品あふれるスコットランド人妻”の丁々発止も見どころだそうです。

本連載の「花子とアン」の回で、朝ドラの高視聴率の方程式を次のように示しましたが、「マッサン」は、大正・昭和という時代背景+職業という点は踏襲しているものの、そのほかはあえて外しているのがわかります。

(貧しい出自+戦中・戦後+職業)×有名女優=高視聴率

主人公の亀山政春も亀山エリーも裕福な家の出身という設定。朝ドラにつきものの、貧しい幼少期の物語もありません。主役は有名男優の玉山鉄二さんと外国人女優のシャーロット・ケイト・フォックスさんが演じていて、これまた異例。東京とは同じものは作らないぞという大阪放送局の意気込みなのか、主婦以外にも視聴者層を広げようと男性視聴者と外国人視聴者を狙ったのか。その真意はわかりませんが、朝ドラとしてはかなりの冒険であることは確かです。

主役は異例の「男性+外国人女性」

1961年から放送を始めたNHKの朝の連続テレビ小説の歴史の中で、「マッサン」は91作目。その中でも、男性主役の物語は「ロマンス」(1984年)、「いちばん太鼓」(1986年)など数えるほど。「マッサン」の前が「走らんか!」(1995年)で、途中、「ゲゲゲの女房」(2010年)のようなダブル主役作品もありましたが、男性主役は19年ぶりです。視聴率を考えれば、視聴者のほとんどが女性という朝ドラに男性の物語をもってくるのはかなり勇気がいります。

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