米倉涼子主演「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日系)が9日スタートし、21.3%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)という高視聴率を獲得しました。
「私、失敗しないので」という主人公のせりふが物語るとおり、視聴率的にも「失敗しない」ドラマ。今年でシーズン3を迎えますが、相変わらずの好調ぶり。
勧善懲悪のドラマはこれまでもたくさんあったはずなのに、なぜこんなに高視聴率なのか。その理由のひとつが、軸になる設定やストーリーを“西部劇”調にしているところではないかと思います。
”西部劇”に心引かれるワケ
“西部劇” とは主にアメリカの西部開拓時代(19世紀後半)を舞台にしたアクション映画。特に「ドクターX」に近いのはマカロニウエスタンといわれる、イタリアで制作された西部劇。映画のラストには、悪者がすご腕のガンマンにバッタバッタと倒されていくのがお決まりで、クリント・イーストウッド主演の三部作、「荒野の用心棒」(1964年)、「夕陽のガンマン」(1965年)、「続・夕陽のガンマン」(1966年)が特に有名です。
中でも「ドクターX」は、「荒野の用心棒」に設定がとても似ているなと思って、筆者はいつも見ています。
「荒野の用心棒」は、黒澤明監督の「用心棒」を西部劇にしたリメイク作品。イーストウッド演じる主役は流れ者で“一匹狼”のガンマン。銃の早撃ちの名手であり、賞金や用心棒代でおカネを稼いでいます。アメリカとメキシコの国境近くの町にふらりとやってきて、ロホ家とバクスター家が権力争いをしていることを知ると、両者をうまく対立させながら町を浄化しようとする。そして最後は、早撃ちで悪者を倒し、市井の弱者を救い、町を去っていく……。
テーマソングは“口笛”で、これから主人公が活躍するぞ、というところには、決まりの音楽が流れます。
一方、「ドクターX」の主役はフリーランスで“一匹狼”の外科医。外科手術の腕は世界級で、高額な派遣料金でおカネを稼ぐ。
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