主演の米倉涼子さんも、大門未知子という役柄もすごくかっこいいし、ドラマの内容そのものは最先端の医療技術を披露するなど、とても現代的。ところが、音楽、ナレーション、CGグラフィックは、あえて“昔風”にしてあることに気づきます。
筆者がかつて勤務していたNHKでもシニアを視聴者に取り込みたいときは、番組全体の見せ方をスタイリッシュにしすぎないように気を遣っていました。アメリカのドラマやミュージックビデオみたいに“クール”にしてしまうと、“これは若者向けの番組だ”と見てもらえなくなってしまうからです。
「ドクターX」も同じように、シニアの視聴者を意識しているのがうかがえます。
あまり凝っていないグラフィックに、田口トモロヲさんによるNHK「プロジェクトX」風のナレーション、そして、音楽は西部劇風。テレビ朝日のヒットドラマは、「相棒」にしろ、「ドクターX」にしろ、シニア層への訴求方法がうまいなと思います。
「ドクターX」は、今シーズンも高視聴率を記録して、まだまだ続編が作られていくと思います。これだけの成功要因が詰まっていて、失敗しようがありません。
視聴率が下がるとすれば、この西部劇フォーマットが飽きられてしまったとき。おそらく、そうなりそうになったら、話を盛り上げるために、あえて1回ぐらい失敗するのではないかと勝手に予測しています。
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