ウクライナ政治学者「ロシア牛耳る世界のヤバさ」 暴走止めるために民主主義国にできること

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ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、日本に住むウクライナ人政治学者の思いとは(写真:Erin Trieb/Bloomberg)

数カ月間、ウクライナをめぐって緊張は高まっていた。ロシアは当初10万人、直近では20万人ほどの兵力をウクライナ国境付近に集結し、野戦病院や輸血用血液を用意していた。また2021年12月にロシア非常事態省は「集団墓地に関する基準」を発表した。この基準では、集団墓地の深さや長さ、何体まで埋葬できるかなど、細かく規定されている。

こうした一連の動きを見ると、ロシアは大量の死傷者が伴う戦争の準備をしていることが明らかだった。またアメリカの高官は、ロシアによる侵攻は確実だと何度も繰り返し、警鐘を鳴らしていた。

誰も本気で侵攻すると思っていなかった

それでも、多くの専門家などは「ロシアによる侵攻の可能性は低い」「ロシアが本気で攻めるつもりはない」と繰り返していた。しかし、多数の専門家の予想が外れ、アメリカ当局の発表は現実になった。ロシアは、ウクライナに対して、騙し討ち侵略戦争を犯したのである。

ロシア軍は2022年2月24未明、同時に多方面から国境を越え、ウクライナ国内への侵攻を始めた。その直前に、ロシアはウクライナ全土にミサイル攻撃を実施し、各地で軍事施設や基本インフラだけではなく、民間マンションまで破壊された。当然、多数の犠牲者が出ている。

一部の領土が占領され、本稿が執筆された時点で、首都キエフを始め、ハルキウ、オデッサ、チェルニーヒウ、ミコラーイウ、スームィなどの中心都市にロシアの戦車部隊が攻撃し、制圧を狙っている。へルソン市やザポリージャ原子力発電所もロシア軍に制圧された。

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