ロシアによるウクライナ侵攻の可能性が高まっているとして、ヨーロッパ情勢が緊迫化している。2022年に入ってすでに4度の米露間の協議が行われており、1月21日にはアメリカのブリンケン国務長官とロシアのラヴロフ外相との外相会談が開催されたが、めぼしい成果は得られなかった。
外相会談後にはアメリカからの書面にて、北大西洋条約機構(NATO)東方拡大はしないようにとのロシアの要望を拒否。ウクライナのNATO加盟をめぐる米露の立場は完全に行き詰まり感を見せている。
アメリカは、ロシアによるウクライナ侵攻に備えて、アメリカ軍の東欧への派遣を準備している。仮に、ロシアによるウクライナ侵攻が行われた場合、第二次世界大戦以来のヨーロッパ地域での戦争にまで発展するおそれがある。はたしてこの危機は回避できるのだろうか。
ロシアのウクライナへの「執着」
ロシアとて、意味もなくNATOを敵に回して戦争を始める意味はない。ウクライナ国境に10万人規模と言われる戦力を集結させているロシアの狙いは何か。それを知るためには、なぜ、ロシアがウクライナにこれほど執着しているのかを知る必要がある。
ロシアがウクライナに執着する理由は大きく2つあると考えられる。1つは国家安全保障に関するもので、もう1つはロシアとウクライナの歴史的・文化的親近性に関係するものだ。
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