
「紛争原因の根本的解決」と「妥協的和平」のジレンマ
2月28日に1回目の停戦交渉が行われたが、両国の隔たりは大きく、合意には至らなかった。3月2日夜の時点では2回目の停戦交渉が近く開かれる予定だと、複数のメディアが報じている。場所はベラルーシとポーランドの国境と伝えられている。ただし、事態はまったく流動的で予断を許さない。
一口に「戦争終結」といっても、無条件降伏の押しつけで終わったり、あるいは妥協的な休戦で終わったりする場合があり、また妥協的な休戦の場合もその内容はさまざまである。
それらを一望し、教訓を得るための分析のレンズが、「紛争原因の根本的解決と妥協的和平のジレンマ」という視点だ。
ここでは戦争終結には大きく2つの形態があると考える。
1つは、「自分たちの犠牲を覚悟したうえで、自国の完全勝利と交戦相手政府・体制の打倒を目指し、紛争が起こった根本原因を除去して将来の禍根を絶つ」形態である。いわば「紛争原因の根本的解決」である。例えば、第二次世界大戦におけるナチス・ドイツに対する連合国の立場が当てはまるだろう。
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