ウクライナ政治学者「ロシア牛耳る世界のヤバさ」 暴走止めるために民主主義国にできること

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ウクライナから領土を奪い、ウクライナを征服することで、ロシアは軍事大国が自分の意思だけで全てを決める世界を築こうとしている。その世界では、軍事大国以外の国は主権がなく、軍事大国に絶対服従する。もしこれを許してしまうと、世界は文字通り、無法地帯になる。世界各地で戦争が起き、国際平和の維持は不可能になる。

世界が戦乱に陥らないために、国際社会は今回のロシアによる侵略を止めなければならない。世界各国はすでにロシアの侵略を糾弾し、ウクライナへの支持を表明している。また、ロシアに対して経済制裁を科し、ウクライナに対して経済支援や武器提供を行っている。しかし、これだけは不十分だ。

ロシアのさらなる侵攻を止めるには

アメリカをはじめとする自由民主主義諸国は、ウクライナ上空で、飛行禁止区域を設定することが望まれる。つまり、ロシア軍の航空機はウクライナに領空侵犯すれば、NATOの防空システムでそれを撃墜する体制だ。

そうすれば、ロシアの侵略は鈍化し、最終的に撤退せざるを得なくなる。また、NATOがそれをできない場合、少なくともウクライナは自身で上空を守るために、ウクライナに防空装備を提供しなければならない。また、ウクライナになるべく多くの武器を供給し、自国を守る手段を与えることを望む。

ロシアに対する制裁も、最大限にまで拡大し、ロシアとの貿易を一切遮断しなければならない。これにより、ロシアを財政破綻に追い込むことが可能になり、戦争継続や占領地の維持管理はできなくなる。そうなると、ロシアはウクライナの征服を諦めるだろう。この悲惨な戦争を止めるには、自由民主主義諸国の連帯、共通認識、そして覚悟が不可欠なのである。

グレンコ・アンドリー 国際政治学者、日本研究者

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Andrii Gurenko

1987年、ウクライナ・キエフ生まれ。2010年から2011年まで早稲田大学に語学留学。同年、日本語能力検定試験1級合格。2012年キエフ国立大学日本語専攻卒業。2013年、京都大学へ留学。2019年3月、京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程指導認定退学。アパ日本再興財団主催第9回「真の近現代史観」懸賞論文学生部門優秀賞(2016年)。ウクライナ情勢、世界情勢について講演・執筆活動を行っている。著書に『プーチン幻想』(PHP新書)、『ウクライナ人だから気づいた日本の危機』(育鵬社)。

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