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「ウクライナと露」エネルギーから見る危機の歴史 ロシアと欧州「エネルギー安全保障重視の契機」

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しかし欧米側には、これはエネルギー資源の力を誇示しようとする行為に見えた。ロシアは天然ガスと石油を「政治目的」の武器として利用していると、当時の米国国務長官コンドリーザ・ライスは言い、「そのような駆け引きは許されない」と断じた。

数日後、ウクライナとロシアがかろうじて新しい合意に達した。しかしロシアにウクライナのパイプラインを管理する権限は与えられなかった。ウクライナ政府は「クラウン・ジュエル」を手放そうとはしなかった。結局、ロスウクルエネルゴ社という謎めいた企業が両国のあいだに入って天然ガス事業を取り仕切ることになった。

再び天然ガスの供給を停止したロシア

3年後、2008年12月31日、ウラジーミル・プーチンは国内のテレビ放送で年末の所感を述べる中で、いくらか冗談めかして次のように言った。

「新年が近づいてきた兆候でしょう。ガス交渉がヒートアップしています」。それから数時間後、2009年1月1日、ロシアが再びウクライナ向けの天然ガスの供給を停止した。プーチンはその後、欧州向けの天然ガスがウクライナによって抜き取られ、盗まれたと発表して、ウクライナを通過する天然ガスの出荷を全面的に停止した。これはヨーロッパにいっさいロシアから天然ガスが届かなくなることを意味した。それから2週間以上にわたって、プーチンによれば「難しい」交渉がロシアとウクライナのあいだで行われ、新しい契約が交わされた。

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ただし、例年より寒さの厳しい冬だったにもかかわらず、この2度目の天然ガス危機では、バルカン半島の一部を除いて、供給不足は発生しなかった。ウクライナにはすでに潤沢な備蓄があった。西欧諸国も備蓄を使うことで急場をしのげた。

これらの天然ガス危機が、ロシアと欧州のどちらにとっても、エネルギー安全保障をあらためて重視する契機になった。とはいえ「エネルギー安全保障」の意味は、両者で著しく異なっていた。

(翻訳:黒輪篤嗣)

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