撃退不能?小学生母への「もっと働け」要求 「育児は終わったでしょ」と真顔で言う上司たち

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多くの男性が知らない、一段落しない「子育て」

ワーキングマザー歴8年、ということですから、小学生ママでいらっしゃるんですね。世の中の企業でも、時短取得期間は未就学児までのことが多かったりしますから、小学校に入る=手がかからなくなる、と思い込んでいる偉い人たちはたくさんいるようです。

実際は小1の壁、小4の壁と言われるように、小学校への進学タイミングと学童保育の終了タイミングは、子ども自身の環境も親としての役割も、大きく変化する時期です。必ずといっていいほど、多くのワーキングマザーが悩む時期だと思います。

保育園は厚労省管轄で「働く親」が前提だけれど、文科省管轄の「教育の場」である学校は「子ども」が主体。もちろん、両親共に働いているかどうかなんて関係なく運営されているように感じます。保護者会も学校公開日も、PTA活動も、お日様が照っている時間帯に行われ、私自身、「朝か夕方に寄せてくれないかなぁ」と何度も思ってきました。

まぁ、変な話、「食べる」とか「排泄」とか、「生きていくための世話」が育児だと思っているおっさん、いっぱいいるんですよ。だから小学生になったら、「一段落したでしょ?」「楽になったでしょ?」と言う。

私もけっこうな人数の偉い人に言われました。確かに、楽になる部分もあります。ちゃんと話せばわかることも増えるし、突発的な感染症もぐっと減る。でも精神的なケアは圧倒的に必要になります。お友達とのこと、勉強のこと、本人も自我の芽生えを自覚して四苦八苦しているワケですから、親として子どもと向き合う時間は物理的に増えていきます。

それに、物騒な世の中、ひとりでの外出や留守番も心配の種。学童保育終了後の振替休日の日や創立記念日なんか、子どもの居場所の手配に奔走しまくりだし、習い事の送迎やらお当番やらも付加されて、なんだか365日、ずっと子どもの予定に振り回されているような気にさえなってしまいます。

大学生を筆頭に高校生と小学生のお子さんを持つ友人に、「いつになると楽になるもの?」と聞いたら、「ずーっと楽にならないわよ。『大変』の種類は変わるけど、たぶん、ずーっとよ」と笑っていました。

つまり、こういうことを言うおじさま(オトコだとして)は、本質的に育児をしてこなかったってことなんだと思うのです。だって会社の偉い人たちって、専業主婦の奥様におうちのことを任せっきりってパターン、すごく多いんですから、実感がないのでしょう。

だから、「一段落したでしょ?」と言われて、どうしても言い返したくなったら、「まさか!」と驚いた顔で言って、「○○さんの奥様、偉いなぁ。育児、おひとりで頑張られたんですね」と笑顔で言ってあげれば十分です。きっとどこかで今の「働く母応援」風潮の中、家庭に参加してこなかった自分に少し後ろめたさもあるおじさまたちは、「地雷を踏んだかな」くらいのことは思うに違いありません。

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