撃退不能?小学生母への「もっと働け」要求 「育児は終わったでしょ」と真顔で言う上司たち

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彼女とあなたが同じだとは思いませんが、あなたは「本来、もっとできる」と思われているように感じるのです。あなたの上司は、「両立が楽になったはず」という思い込みが確かにあるかもしれないけれど、それ以上に、経験を積み、スキルを伸ばしたあなたが、「仕事はこのくらい」「職場の男性社員と遜色ない程度」と低めに目標をセットするのを、「もったいない」と思っているのかもしれない

これ以上あなたに何を望むのか、と書いておられますが、「遜色ない、ではなくて、飛び抜けてほしい」と望んでいるのではないでしょうかね。

私の後輩のようには声に出さなくても、「だって!」という気持ちが感じられたとき、期待のあまり、「家庭を言い訳にするな」と上司は口走ってしまったのではないかと思うのです。あなたがもし、その言葉尻だけをとらえて憤慨しているのなら、もちろん管理職たちも今イチだけど、あなたも今イチです。管理職たちは、あなたを「特別な存在のワーママ」ではなく、「会社に必要な優秀な人材」だと思って、もう一度、成長欲求のスイッチを入れようとしているのかもしれないのですから

敏感になりすぎてはいけない

もちろん、物理的な制約は消えません。先にも書いたように、制約はもっともっと増えていくことでしょう。それでも、働き続けていく、と決めているならば、家庭の充実と同じように、仕事ももっと充実させていくことを考えてみてはどうでしょう? すごく難しいし苦しいけれど、それこそが、ワーク・ライフ・インテグレーションの実現につながるのでは?

ぜひ、管理職の方たちに、素直に「どういう意図でそう言っているのか」「私への期待はどのようなものか」を問うて、判断してみていただきたいと思います。私の予想では、ただ単に、「お前、育児にかまけてないで、もっと働けよ! 手を抜いてんじゃないぞ」なんてことじゃないと思うな。もし、本当に単なる精神論だけだったら、「24時間働けっていうの、ブラック企業認定、かつ、パワハラですよ~」とビビらせて撃退するしかありませんが。

堂薗稚子さんの著書『 「元・リクルート最強の母」の仕事も家庭も100%の働き方』(角川書店)も発売中です

そして、「そもそも……」ですが、ワーキングマザーだからキャラ変更しないといけない、なんてこと、あるわけありません。子どもを育てながら働くうちに、どんどん「お母ちゃんキャラ」に変化してしまった私のようなケースはありますが、無理なキャラ変更でニコニコしても、ばっちり見抜かれて、「目が笑ってない」とか言われちゃうことでしょう。あなたは、自分が思うほど「両立に苦労しているワーキングマザーだ」と、変に特別扱いされていないだけなのかもしれません。「両立しながらも、もっと仕事でも成果が出せるヤツ」なんですよ、きっと。

周囲に対して、敏感になりすぎ、攻撃的になると疲れます。「あら、私ってけっこうイケてるワーママなのかな」くらいにとらえてみたらどうでしょう? ここは奮起して、上司と話し合って仕事で飛び抜けけた成果を出し、両立もばっちりして、会社にとっても「自慢のワーママ」になっちゃえば? すごーく偉くなったら、「堂薗姐さんに励まされたわ~!」とか、私のことも思い出してくださいね♪

 ※読者の皆様からのお悩み、ご相談を募集します。こちらのアドレス(onna-sodan@toyokeizai.co.jp)まで、年齢、ご職業等を記載のうえお寄せください。掲載は匿名といたします。

堂薗 稚子 ACT3代表取締役

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どうぞの わかこ / Wakako Dozono

1969年生まれ。1992年上智大学文学部卒業後、リクルート入社。営業として多くの企業を担当し、数々の営業表彰を受ける。管理職として、多様な雇用形態の組織の立ち上げやマネジメント、『リクルートブック』『就職ジャーナル』副編集長などを経験。2004年第1子出産。2007年当時組織で最年少、女性唯一のカンパニーオフィサーに任用され、事業責任者、「リクナビ派遣」編集長を務める。2010年に第2子出産後はダイバーシティ推進マネジャーとして、社内外女性のメンターを務めつつ、ワーキングマザーで構成された営業組織の立ち上げ、マネジメントを担当し、彼女たちの活躍を現場で強く推進した。経営とともに真の女性活躍を推進したいという思いを強くし、2013年退職。株式会社ACT3設立、代表取締役。女性活躍をテーマに、講演や執筆、企業向けにコンサルティングなどを行っている。2013年2月、リクルート在籍時に東洋経済オンライン「ワーキングマザーサバイバル」連載に登場。FBのいいね!数が6000を超えるなど、話題となった。

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