「運用利回りランキング」は、大学の「運用可能資産」に対する資産運用収入比率の高い順にランキングしたものだ。
ここでいう運用可能資産は「理論的にはこれだけの資金を運用に回せる」という想定額を試算したものであり、実際に大学が運用に回している資金額とは異なる。だが、大学の資金規模を表す一つの目安であり、それと運用収入を比較することで、各大学の「資金運用力」を推測することができる。
(注)綴じ込み付録「大学四季報」掲載の私立大学が対象。2009年度の運用利回り(資産運用収入÷運用可能資産×100)でランキング。ただし、運用利回りを算出する際の運用
可能資産は2008年度と2009年度の平均を使用。運用可能資産は(引当特定資産+現金預金+長短有価証券+未収入金−流動負債−第四号基本金)とした。
運用利回りランキングで1位となった名古屋学院大学は08年度2・6億円、09年度2・7億円と安定的な運用収入を確保している。
2位の昭和女子大学は5・65%、3位東邦大学も5・4%と、ベスト3はいずれも運用利回りが5%を超えた。
早稲田大学は4位に入ったものの、08年度の資産運用収入34・8億円から、09年度は25・6億円と大きくダウンした。
すでに述べたように、収入源の多様化は今後の大学運営にとって必要不可欠であり、資産運用はそのための有効な手段だ。
証券会社に勧められるまま、商品内容が複雑な仕組債などをあまり吟味せずに購入するような運用は論外だが、運用管理体制をきちんと構築したうえで、長期的な事業計画に合わせた資産運用を検討する時代になったといえる。
(週刊東洋経済編集部 写真:風間仁一郎)
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