『週刊東洋経済』が独自に集計している「大学総合ランキングトップ100」は、基本的には単年度実績に基づいて算出している。そのため、周年事業で多くの寄付金が集まったり、土地などの資産売却があったりすると、ランキングの順位が大きく変動することがある。
2009年度について、大学の「帰属収入」の伸び率でランキングした結果は表のとおりだ。対象は、 週刊東洋経済2010年10月16日号の綴じ込み特別付録「大学四季報」掲載の私立112大学(以下の大学データの対象範囲も同じ)。
■帰属収入伸び率ランキング(09年度)
(注)綴じ込み付録「大学四季報」掲載の私立大学について09年度の帰属収入伸び率でランキング
帰属収入は、入学金や授業料など学生からの納付金や寄付金、補助金などから成り、企業でいえば売上高に相当する。いわば大学の増収率ランキングだ。
1位の関西学院大学は聖和大学との合併に伴い、資産負債差額128億円を合併受け入れ差額として雑収入に計上したため、帰属収入が大幅に増加した。2位の東京都市大学は、学校法人の保有する東急自動車整備専門学校が世田谷区に土地収用され、同区・二子玉川から多摩市・唐木田に移転したことに伴い土地売却差額が発生した。いずれも、単年度の特殊要因が帰属収入を押し上げる形となった。
3位の目白大学は学生数の増加により、学生生徒等納付金が伸びたことが増収に寄与。4位の名古屋学院大学も、06年度年開設の人間健康学部(10年4月より募集停止、スポーツ健康学部とリハビリテーション学部の両学部への発展的解消)の寄与により、学生数が増加した。5位の学習院大学は、理学部や初等科の学費改定効果による学生生徒等納付金の増加などが帰属収入のアップにつながった。