セブンカフェ成功の裏にあった「30年戦争」 ただひたすらに、市場の声を聞け!

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紙コップ製作は東罐興業が担当。持ちやすさ、保温しやすさを追求した。

意外に見逃しがちなのが、アイスコーヒーに使われる氷。小久保製氷冷蔵と協業し、溶けにくくて雑味が少ない氷を追求、24時間かけて不純物が少ない透明な水を製氷するようにした。

ブランディングは佐藤可士和氏が担当。黒と白で統一されたさまざまなデザイン、コーヒーマシンのインターフェース、カップ、ふた、マドラー、ストロー、マシンなどのアートディレクションを担当した。「モノとしてコーヒーを売るだけではなく、カフェとして上質な時間を提供したい」との思いから、「セブンカフェ」という名前も生まれた。

オールスターチームで万全の準備をして開発したセブンカフェ。しかしこれでうまくいくとはかぎらない。ここからが、セブンの真価発揮なのだ。

連載第1回で紹介したように、2012年に北海道の全861店を含む1799店でセブンカフェの試行販売を行ったのだ。そして顧客が増加することと併せ、買いを訴求できることを数字で裏付けたうえで、「新しい利用シーンを創出できる」と判断、全店導入を決定した。

いかがだろうか? セブンの真骨頂は、愚直な仮説検証の実行だ。セブンは30年間にわたって仮説検証を愚直に繰り返してきたのだ。

あなたが飲んでいる1杯のセブンカフェは、その「セブンらしさ」の結晶なのだ。

さらなる高みを目指すセブンの信念

しかし、これだけ成功したセブンカフェと言えども、ひとつの通過点にすぎない。

2014年9月25日、セブンは「セブンカフェをリニューアルする」と発表した。

コーヒー豆の配合・焙煎を見直し、豆の渋皮を除去する独自の磨き工程を導入、より深煎りの焙煎に変更することで、華やかな香り立ちと、コク深い味わいながら雑味のないすっきりとした後味を実現しようとしている。値段は変えずに、九州地区で先行販売し、10月下旬から全国で販売すると宣言した。

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