セブンカフェ成功の裏にあった「30年戦争」

ただひたすらに、市場の声を聞け!

4度にもわたる挑戦と、失敗

セブンの1回目の挑戦は、1980年代前半だ。1983年2月21日の日経ビジネスの記事「ケーススタディ セブン-イレブン ジャパン」ですでにこのように紹介されている。

「7846杯」。都内のあるセブン-イレブン加盟店が某月1カ月間に販売したコーヒーの量である。1日で約260杯。平均的な喫茶店のコーヒー販売量は1日50〜100杯というから大変なもの。こまめに足を運ばれる方にはよくおわかりと思うが、最近、セブン-イレブンではこのコーヒーをはじめ、弁当、ハンバーガー、サンドウィッチなど、手を加えずに即座に食べられる商品の品ぞろえが急速に豊富になりつつある。

なんとこの時期、セブンではコーヒーが1日に260杯も飲まれる店がすでに存在していたのだ。この頃からコーヒーがセブンのビジネスに大きく貢献している様子がうかがえる。

当時は、店頭のコーヒーサイフォンでコーヒーを作り、注文のたびに小分けしていた。しかしこの方法には問題があった。味と香りを保つため1時間ごとに作り替えるルールだったが、店舗が忙しく、マニュアルどおりに実行されないケースも多かったのだ。そこでこの方式を見直すことになった。

2回目の挑戦は1988年。コーヒーマシンによる挑戦が始まった。注文を受けてから、その場で1杯ずつ作るドリップ方式に切り替えた。「これなら新鮮さが保てるし、余ったコーヒーを捨てないのでロス率も下がり、衛生管理も容易になる」と考え、木村コーヒー店(現キーコーヒー)がセブン用に開発したコーヒーマシンを3500店舗に導入。コーヒーの種類も1種類から「ライト」「ミディアム」「ビター」の3種類に増やした。

しかしこの方式にも欠点があった。ヒーターの上にポットを長時間置いていることで、焼き芋のような異臭が店内に漂ってしまったのだ。結果的に、セブンはこの展開も断念せざるをえなかった。

3回目の挑戦は1990年代。異臭の問題を解決するためにカートリッジ方式に切り替えたが、コーヒーを粉末状にしたために肝心の風味が飛んでしまい、味が損なわれてしまった。

そして4回目の挑戦は2000年代。それまでのカートリッジ方式がうまくいかない一方で、この時期、スタバなどのカフェでエスプレッソやカフェラテが大人気になった。そこでセブンが始めたのが「バリスターズカフェ」。比較的最近のことなので、覚えている方も多いのではないだろうか。

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