エコに「ケッ」と思っていた私が考えを変えた理由 孤独から脱出し、日常が「意味あること」になる

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私の「なんでもあり」の人生の目標第1号が、プラゴミの削減だったことは前々回に書いた通りである。これ、まさにエコ系であります。

でもそもそも私、エコに関心や意識が高かったがゆえにこのような目標を定めたわけでもなんでもなく、ちょうど会社を辞めるタイミングで人生の目標を見失っていた時に発見した「これまでとはまったく違う人生の目標」にコーフンして後先考えずに飛びついたというだけであって、「これからはエコで行こう!」などという大局的な発想から決めたことでもなんでもなかったんである。

面白くて楽しくて人に喜ばれて仲間が増える「趣味」

ところがこれが、いざ実行に移してみればあまりにもよくできた目標なのであった。いやいやこんなにも完璧な人生の目標ったらないじゃん! とジーンとせずにはいられない日々を送るうち、わが「エコ系」の目標はどんどん増殖し、今や間違いなく日本有数のエコ野郎である。

具体的に言えば、電気代は月200円以下、ガス契約はしておらずカセットボンベを週1本使うのみ、水道は月の使用量が1㎥以下、燃えるゴミは2カ月に1回しか出さない。もちろんプラ削減も日々挑戦中で、プラゴミは極小袋に2、3週間に1個というところにまでこぎつけた。移動は自転車で、電車だけでなくエレベーターやエスカレーターもほとんど利用していない。

まったくこんな暮らしぶりを昔の私が知ったら、本当にひっくり返るほど驚くに違いない。何しろエコに関心がなかったわけじゃないけれど、それはあくまでファッション的な関心であって、どうせ買うならサスティナブルなものを選んだほうがいいよね的な。

つまりは豊かで便利な暮らしを楽しむのが大前提で、そこに差し込んでくるような事態、例えば暑さ寒さを我慢するとか、プラゴミを増やしたくないがゆえにコンビニに行かなくなるとか、水の節約のため服もトイレも手で洗うとか、んなこたあ発想すらなかった。

それがアータ、今や嬉々としてそのようなことに日々勤しんでいるのだ。それは一にも二にもこの「よくできた」人生の目標のせいである。ひとことで言えばこれらがすべて「生きがい」と化しているのである。

だって面白くて楽しくて人に喜ばれて仲間が増えるのだ。そう考えるとほとんど「趣味」だなこりゃ。そうだよこんなによくできた趣味ったらない。お金もまったくかからないし。

なのに、いまひとつこれが趣味として広がらないのは、その「正しさ」ゆえなのではないだろうか。エコっていうと、いいことだし、必要なことだよね、やったほうがいいよねと誰もが思う。

でもそれがゆえに「エコな人」というのはどこか色がついているというか、胡散臭いというか、威張っているというか、そんなイメージがないわけじゃない。誰あろう私自身がかつてはそう思っていた。エコを語る人に「ケッ」と思っていなかったわけじゃないんである。

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