
わが相棒の自転車。5万円の予算で中古部品を組んでもらった世界に1つの品。6年経ってもびくともせず(写真:筆者提供)
疫病、災害、老後……。これほど便利で豊かな時代なのに、なぜだか未来は不安でいっぱい。そんな中、50歳で早期退職し、コロナ禍で講演収入がほぼゼロとなっても、楽しく我慢なしの「買わない生活」をしているという稲垣えみ子氏。不安の時代の最強のライフスタイルを実践する筆者の徒然日記、連載第45回をお届けします。
「道は一本じゃない」と気づくとき
「人生がパッと開ける瞬間」なんてものが、ドラマや映画の世界はともかく世間一般にどのくらい存在するのだろう?
ことわが人生においては、まーはっきり言ってそんなものはほとんどなかった。
いやね、よっしゃ開けた! と勘違いした瞬間はあったんですヨ。例えば模試ではE判定しか出たことなかった大学受験に合格した時とか、ダメ元で受けた入社試験にこれまた奇跡的に合格した時とか……。おし! これでわが人生は上がりだ! 前途洋々! などと思ったりしたわけです。
で、もちろんそうした出来事にまったく意味がなかったわけではなく、さまざまな積み重ねで今この時をこうして生き永らえていることは間違いないんだが、改めて考えると、今の私を作っているのはそのような「よっしゃ体験」だけではなく、むしろ数え切れないほどの挫折、失敗、悔しい思いなどに学んだことが実に大きいわけで、つまりは、人生が開けるビッグな瞬間なんてものは実際のところ、後から振り返ってみればほぼ存在しないも同然なんじゃないかしらんと思う今日この頃。つまりは人生なんてそんな簡単にパッと開けたりしないんである。
……と、思っていたんだが。
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