「道は一本じゃない」と気づくとき
「人生がパッと開ける瞬間」なんてものが、ドラマや映画の世界はともかく世間一般にどのくらい存在するのだろう?
ことわが人生においては、まーはっきり言ってそんなものはほとんどなかった。
いやね、よっしゃ開けた! と勘違いした瞬間はあったんですヨ。例えば模試ではE判定しか出たことなかった大学受験に合格した時とか、ダメ元で受けた入社試験にこれまた奇跡的に合格した時とか……。おし! これでわが人生は上がりだ! 前途洋々! などと思ったりしたわけです。
で、もちろんそうした出来事にまったく意味がなかったわけではなく、さまざまな積み重ねで今この時をこうして生き永らえていることは間違いないんだが、改めて考えると、今の私を作っているのはそのような「よっしゃ体験」だけではなく、むしろ数え切れないほどの挫折、失敗、悔しい思いなどに学んだことが実に大きいわけで、つまりは、人生が開けるビッグな瞬間なんてものは実際のところ、後から振り返ってみればほぼ存在しないも同然なんじゃないかしらんと思う今日この頃。つまりは人生なんてそんな簡単にパッと開けたりしないんである。
……と、思っていたんだが。
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