大手が空揚げに注力する背景には、顧客層の広さに加え、設備投資の軽さや、オペレーション面での簡便さなどがある。持ち帰りに向くといった特性もあり、巣ごもり需要の高まりがこの勢いをさらに加速させた。それが空前の空揚げブームとなって到来している。
そもそも空揚げは、外食チェーンにとっては欠かせない食材だ。洋風空揚げの代表格といえるケンタッキーフライドチキンのほか、多くのハンバーガーチェーンでは必ずチキンカツのハンバーガーを扱っている。ファミレスや居酒屋にとっても空揚げはもともと主力メニューの1つだ。
だが、今回の空揚げブームが従前の流れと違うのは、地方に根ざした文化がベースになっていること、持ち帰り専門店が主流という点にある。そもそも、持ち帰り専門の空揚げチェーンは、コロナ前までは大分県発祥企業の独壇場だった。
九州・大分から全国的に市民権を獲得
現在の空揚げ専門店の起源は、大分県宇佐(うさ)市にあった「庄助」とされる。その後、宇佐市に隣接する中津市で、1970年に「総本家 もり山」(旧森山からあげ店)が創業。この総本家もり山の空揚げは、秘伝のニンニクだれに漬け込んだ塩味で、そのおいしさや手軽な価格もあいまって、現地で大きな人気を集めた。
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