「ペット」業界がコロナ後も強いと言えるワケ 巣ごもりに加え、高機能フードや保険に勢い
ペット関連業界が活況だ。コロナ禍で在宅時間が増える中、新規でペットを飼い始める人が増えた。ペットフード協会によれば、2020年の新規の飼育頭数は犬が46.2万頭(前年比14%増)、猫が48.3万頭(同16%増)と増加傾向にある 。
最近、オスで0歳のチワワを買い始めた男性(40代)もその一人だ。「中学生の息子、小学生の娘がペットを飼いたがった。テレワーク勤務が多くなって在宅時間も増えため、世話をしやすくなったし、ペットショップでかわいい子犬と出会った」のがきっかけだ。
食費や医療費については思ったよりもかからないというが、吠えて近所迷惑にならないようにと、しつけ教室の料金(5日間で6.6万円)に通わせたり、旅行中にペットホテル(1泊約5000円)に預けたり、トリミング代(1回4000円)など、出費は少なくない。
それでも男性は「近所に散歩へ連れて行くことで、犬友に出会ったり、休日に犬連れキャンプに行ったりと、新しい家族の楽しみが増えた」と満足げに言う。「親と子が一緒に子犬を育てるので、家族の絆は深まるし、子供にとっても責任感が芽生える」(男性)。
ペット市場規模は4461億円
『会社四季報 業界地図 2022年版』(東洋経済新報社、8月26日発売)では、会社四季報記者が自動車、IT、小売りなど主要業界を含む全174業界の現状と先行きを解説している。最新版は、新規業界としてペット業界も加わった。
ペットフード・ペット用品を合わせた国内市場規模は2019年度に4461億円(前年度比5.5%増)で、そのうち犬猫向けが8割以上を占める 。ペットショップや医療などを合わせた全体の市場規模は約1.5兆円ともいわれる。
市場好調の背景は、コロナ禍による巣ごもり需要だけではない。ペットを家族とする意識が高まる中、ペット保険や高付加価値ペットフードなど、近年続く商品・サービスの広がりも後押ししている。
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