「ペット」業界がコロナ後も強いと言えるワケ 巣ごもりに加え、高機能フードや保険に勢い
業界の中心となるのはペットフード分野だ。一般的なペットフードのほかに、最近では高齢化したペットのために、筋力維持や栄養バランスに資する高付加価値フードが人気を集める。またペット用のおやつ市場も盛り上がる。こうしてみると、コロナが収束してもまだまだ業界の市場規模が伸びる余地がありそうだ。
ペットフード分野で圧倒的な存在感を誇るのが食品大手スイス・ネスレと米マースだ。
この2強は2000年代に入って同業の買収で拡大している。ネスレは2001年にラルストン・ピュリナ社を約100億ドルで買収した。マースは2015年に米P&Gから「アイムス」「ユーカヌバ」などペットフード部門の大半を約29億ドル買収したほか、2017年にアメリカの動物病院大手VCAの買収に総額91億ドルを投じている 。
日系ではユニ・チャームが売上高トップ
上場しているネスレの場合、ペットケア部門は日本円換算で売上高1.6兆円、部門利益で3700億円をたたき出す。同社にとって、ネスカフェやミロを含む飲料部門に次ぐ、2番目に利益を稼ぎ出す事業だ 。
マースは売上高350億ドル(約3.8兆円)に達する非上場企業。日本では、お菓子の「スニッカーズ」「M & M'S(エムアンドエムズ)」で著名だが、同社の従業員約12.5万人のうち、約7割の約8.5万人がペットケア部門に従事しており、この部門の売上高がもっとも大きいと見られる 。
一方、日本企業ではユニ・チャームがペットフードやペット用品を手掛ける企業としては売上高でトップだ。同社子会社でペット事業を手がけていたユニ・チャーム ペットケアは一時は株式上場をしていたが、2010年に親会社からのTOBで吸収合併された。
ほかにもマルハニチロ子会社のアイシア、缶詰のいなば食品子会社であるいなばペットフード、三菱商事系の日本農産工業の子会社ペットライン、コンボ・ビタワンで著名な日本ペットフードなど老舗が顔を並べる。
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