小渕優子氏は、「法的責任」を問われる? 「ボーダーライン」はどこにあるのか
「政治とカネ」の問題をめぐり10月20日、小渕優子・経済産業大臣が辞任した。関連政治団体の小渕優子後援会と自民党群馬県ふるさと振興支部が開いた「観劇会」をめぐって、政治資金収支報告書の食い違いなどが指摘されていた。
小渕氏の辞任会見での説明によると、観劇会は、小渕氏の後援会2団体が1998年から毎年行っている恒例行事だった。公演を貸し切って開き、参加者は1回1000人程度。年2回開くので、およそ年2000人が参加していたという。
「大きな疑念があると言わざるを得ない」
小渕氏は観劇会の参加費について、「2008年以降は、1人あたり1万2000円の会費を徴収していた。料金には入場料、食事代、バス代が含まれている」と説明した。さらに続けて、「本来なら毎年2400万円の収入が計上されていなければならないはずだが、2010年は372万円、2011年は369万円しか記載がなく、2012年は収入・支出が全く記載されていない。これは、大きな疑念があると言わざるを得ない」と話した。
なお、2008年の観劇会については、小渕氏が代表を務める資金管理団体「未来産業研究会」が290万円を支出していたという報道もある。
関連政治団体である後援会の収支報告が実際と食い違っていた点について、法的にはどのような問題があるのだろうか。小渕氏に「法的責任」が生じるとしたら、そのボーダーラインはどこにあるのか。秋山直人弁護士に聞いた。